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2009年7月19日日曜日

書評 『銃とジャスミン-アウンサンスーチー、7000日の戦い-』(ティエリー・ファリーズ、山口隆子/竹林 卓訳、ランダムハウス講談社、2008)




■多数の証言によって描かれたアウンサンスーチーという女性の素顔■

 東南アジアを20年にわたって取材してきたバンコク在住のベルギー人ジャーナリストが、ミャンマー国内で秘密裏に取材して知り得た、きわめて多数の証言によって描かれた、アウンサンスーチーという女性の素顔。

 ジャーナリストが申請してもめったにビザが下りない国であるため、ありとあらゆる手段を使って入国し、現地でさまざまな人たちに取材を行った著者の姿勢には頭が下がる。

 ただ、この本は決して読みやすくない。といっても訳文の日本語の問題ではなく、アウンサンスーチーに賛成するものも、必ずしも賛成でない者もふくめて、きわめて多種多様な多くの声が集められているためだ。

 その結果、アウンサンスーチという人物を多面的に描くことに成功し、そしてまた決して単純なアウンサンスーチー礼賛本には終わらない、内容の濃い本になった。

 私がとくに興味深く読んだのは、アウンサンスーチーが、20年にも及ぶ長期間にわたる軟禁生活を乗り越えることができた秘密である。

 著者が明かしているのは、その一つが上座仏教の「ウィパッサナー瞑想法」である。

 当時の上流階級の子女としてはごく普通だったように、ミッションスクールを卒業しながらも、上座仏教の厳しいしつけで育てられたアウンサンスーチーは、軟禁生活の中で改めて瞑想法を修行して、集中力と心の平安を獲得できるようになったという。

 原文がフランス語の本書には、フランスの女優で歌手のジェーン・バーキンが序文を寄せている。

 多芸多才なアーチストセルジュ・ゲンズブールの妻だったジェーン・バーキンが、なぜアウンサンスーチーに強い思い入れを抱いているのか?

 直接手にとって自ら確かめてほしい。


■bk1書評「多数の証言によって描かれたアウンサンスーチーという女性の素顔」(2009年7月18日掲載)
■amazon.co.jp書評「多数の証言によって描かれたアウンサンスーチーという女性の素顔」(2009年7月19日掲載)






<付記>
ジェーン・バーキンが自ら作詞し歌う "Aung San Suu Kyi" は YouTube にて視聴できます。アウンサンスーチに対する考え方、政治的立場は横に置いても一見の価値はあります。
ビデオの中にもあるように、人権を主張しながらも経済的な利益追求は当然のこととして行うフランスと米国の石油企業に見られる、西洋人特有のダブル・スタンダードについてはよく知っておくべきでしょう。植民地時代と基本的に変わらない彼らの態度。ヨーロッパ人は、日本人のようなナイーブな人種ではない、ということですね。

なお、ジェーン・バーキンについては 映画 『ノーコメント by ゲンスブール』(2011年、フランス)をみてきた-ゲンズブールの一生と全体像をみずからが語った記録映画 も参照 (2014年5月17日 記す)。
            




<ブログ内関連記事>

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・・ミャンマーのヤンゴンと新首都ネーピードーのラウンドアバウト交差点を紹介

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(2014年5月17日 項目新設)









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