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2010年8月6日金曜日

『izakaya: The Japanese Pub Cookbook』(=『英文版 居酒屋料理帖』)は、英語で見て・読んで・楽しむ「居酒屋写真集」+「居酒屋レシピ集」





 『Izakaya: The Japanese Pub Cookbook (英文版 居酒屋料理帖)』(Mark Robinson, Photographs by Masashi Kuma, Kodansha International, 2008)は、英語で見て読む「居酒屋写真集」である。

 「居酒屋」(izakaya)は、日本人からみれば、あまりにも当たり前な世界。

 いわゆるグルメ雑誌のグラビアや、ぐるなびなどのウェブサイトではよく見るものであっても、このようなハードカバーの大型本を眺めてみると、居酒屋というのは「日本文化」なのだなあと、あらためてしみじみと思うのである。

 この本では口腹そのものは味わえないが、写真を見るだけでも十分に堪能できる。


 考えてみれば、居酒屋についてまとまった本というのは少なくないのだが、本書のような趣(おもむき)をもった本は意外とないものだ。日本人が書くものはどうしてもディテールに焦点をあてがちで、「居酒屋」文化そのものの本はあまりない。あってもガイドブックか、レシピ本か、随筆に終わってしまいがちだ。

 この本は、東京生まれで、1988年以来日本に在住する米国人のエディター兼ジャーナリストが、居酒屋文化に惚れ込んで作った写真集といった趣(おもむき)がある。

 「居酒屋」文化を、文化そのものとして全体として捉えるという視点が、この一冊をひとつのまとまった小世界(ミクロコスモス)にしている。

 本書には、いわゆるチェーン店はいっさい登場しない。単体で営業している、昔ながらの"渋い"居酒屋が8つ紹介されている。英語で言うと "cool"(クール)ってかんじな店である。

 居酒屋の料理や素材だけでなく、ほろ酔い加減で心を開いている人々、板前さんや従業員たちの働く姿などの写真が散りばめられている。まさに「居酒屋」という小世界(ミクロコスモス)が凝縮して詰まっている。ここに登場する日本人はみないい顔してるし、いい味だしてるね~

 こういう本が英語で出版されて、英語圏で流通しているこということは、大いに歓迎されることだ。


 若い頃はあまり考えていなかったが、「居酒屋メニュー」は実はカラダにもいい。チェーン店の場合は洋風メニューもかなり多くなったというものの、基本的に「居酒屋メニュー」は和食である。「酒の肴」といったほうが風情があるが。

 居酒屋というと、どうしうても酒を飲むのがメインというイメージが強いが、実は健康的でカラダにもいい食事をする場でもあるのだ。しかも居酒屋メニューは、ほんとうに品数が多い。

 その意味では、本書に紹介されている「居酒屋メニュー」はいずれも、旬の食材を使った和食で、目で見てよし、食べてよし、カラダによしという三拍子を備えている。

 本書にも、数々の「居酒屋メニュー」のレシピが英語で紹介されている。料理名だけは日本語も併記されている。

 まあ、居酒屋というものは、そこで飲んで食べてしゃべるものであって、見て読むものじゃないという人のほうが多いだろうが、「日本文化」を英語で勉強することも兼ねて、一冊は手元に置いておきたい写真集である。





<関連サイト>

izakayanights.com
・・本書掲載の英文レビューへのリンク集


PS 2014年になってから、もう一冊、別の「外人」による居酒屋本が出版された。『日本の居酒屋文化-赤提灯の魅力を探る-』(マイク・モラスキー、光文社新書、2014)。こちらも日本通の「外人」によるものだが、日本語で書き下ろした新書本。ぜひ読み比べて(・・いや、飲み比べて、かな?)いただくといいだろう。

目 次

「お通し」-はじめに
第1章 「居酒屋学」の基礎概念
第2章 和風酒場の種類と特徴-赤提灯あれこれ
第3章 和風酒場の種類と特徴-屋台から割烹まで
第4章 <地>の味わい-街から店を捉える
第5章 <場>の味わい――店舗の内外を読み取る
第6章 「人間味」-居酒屋の人々
第7章 自分で穴場を嗅ぎつけよ(実用編)
「また、呑もうね」-おわりに
本文に登場したお店一覧

著者プロフィール  

マイク・モラスキー(Michael Molasky)
1956年米国セントルイス市生まれ。1976年に初来日し、延べ20年日本滞在。シカゴ大学大学院東アジア言語文明学研究科博士課程修了(日本文学で博士号)。ミネソタ大学、一橋大学教授を歴任。2013年秋学期より早稲田大学国際学術院教授。担当する講義では、日本の戦後文化や、ジャズやブルースを中心とする音楽文化論、東京論、そして喫茶店や居酒屋のような都市空間を通じて、現代日本社会を捉えなおす。エッセイスト、ジャズ・ピアニストという顔も持っている。日本語の著書には『戦後日本のジャズ文化』(青土社、サントリー学芸賞受賞)、『ジャズ喫茶論』『呑めば、都』(共に筑摩書房)、『ひとり歩き』(幻戯書房)などがある。

(2014年6月9日 記す)




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(2014年6月9日 項目新設)


 
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