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2010年12月10日金曜日

書評 『Facebook(フェイスブック)をビジネスに使う本-お金をかけずに集客する最強のツール-』(熊坂仁美、ダイヤモンド社、2010)




全世界で友達の輪ができるフェイスブックは、国境を越えた強力なビジネスツールになる

 米国発の世界最大のSNS(=ソーシャル・ネットワーク・サービス)であるフェイスブック
 日本ではまだまだ参加者も少なく、ツイッターのようにブレイクする段階にまで至っていないが、ここのところ急速に参加者が増える傾向にあることは、知る人ぞ知るという状態にある。

 SNSといえば日本ではMIXI(ミクシィ)がもっとも有名だが、フェイスブックはなんといっても使用言語が日本語に限定されず多言語の使用が可能で、アクセスできない中国のような国を除けば、全世界に開かれたネットワークであることが最大の特徴だろう。
 実際、私も今年(2010年)の半ばから使い始めたが、全世界から毎日のようにフレンド申請がくるので、あっという間に友達が増えてしまう、日々その対応に追われている。

 これをビジネスに使わない手はないでしょう、というのが本書の著者のスタンスである。
 無料でつくれる「ファンページ」をフルに活用して、友達の輪を広げながら、それを自分のビジネスに活用するという方法だ。
 不特定多数を相手にしたウェブサイト中心のビジネスとは違い、顔見知りの友達がその友達にSNS内でクチコミすることによって爆発的に拡がっていく顧客ベース。この世界はセレブが推奨するからというマスコミ型の流行ではなく、フツーの人がその「ゆるい友達関係」のなかで推奨しあうものが、おのずから集客につながっていく世界である。

 本書で取り上げられた事例は、まだまだ米国が中心なので米国の事例が大半だが、ブログやツイッターなど先行するツールのほぼすべてが米国発で、米国でのブレイクから数年以内にはかならず日本でもブレイクするという法則からいえば、フェイスブックが日本でもメジャーになる日もそう遠いことではないだろう。

 本書では、日本の会社の成功例が一社紹介されている。satisfaction gurantee(サティスファクション・ギャランティード)という日本のアパレルブランドであるが、いま東南アジアを中心に爆発的に拡がっている。国境を簡単に超えて友達の輪がひろがるという、フェイスブックの特性をフルに活かした海外展開の好事例である。
 
 ウェブサイト、ブログ、ツイッター、SNS、それぞれの特性を正確に把握したうえで適切にハンドリングすれば、友達つくりとコミュニケーションだけでなく、個人が主体のビジネス展開に大きなチカラを発揮するであろうことは間違いない。

 フェースブックを実際に使ってみて、そのビジネス可能性に気がついたら、その世界をフルに活用してみるべきであろう。本書はその際のまたとないガイド役となるはずだ。



<初出情報>

■bk1書評「全世界で友達の輪ができるフェイスブックは、国境を越えた強力なビジネスツールになる」投稿掲載(2010年12月9日)





目 次

1. フェイスブックとは何か、どんな使い方をするのか?
2. 5年で年商を15倍にした会社はフェイスブックをどう使っているのか
3. 15社の事例に学ぼう!フェイスブックのすごい活用法
4. ファン4000人を集めてわかった「ファンページ運営のコツ」
5. いよいよ開始!ファンページ作成七つのステップ
6. お金をかけずにファンを増やす!三つの賢い方法
7. フェイスブックでビジネス拡大を狙うなら「ターゲティング広告」を活用する
8. フェイスブックをホームページのようにカスタマイズする方法


著者プロフィール

熊坂仁美(くまさか・ひとみ)

株式会社ソーシャルメディア研究所代表取締役。5億人が参加する世界最大 SNS「フェイスブック」の実践研究家。定期的に渡米し、フェイスブックを中心とした米国の最新ソーシャルメディアマーケティング情報を取り入れクライアントの指導に活かしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<書評への付記>

フェイスブック(Facebook)という SNS について

 著者の熊坂仁美さんとは実際お会いしたことはないが、フェイスブック上の「ゆるい関係の友達」の一人である。フェイスブック上で、会話したことのある程度だ。
 にもかかわらず、フェイスブック上では、原則として自分のプロフィールと写真を公開しているので、実際には会ったことがなくても、会ったことがあるような気がしてくるのが不思議なことだ。

 SNSとは、それぞれの人ごとに形成される「友達の輪」、つまりゆるいつながりのコミュニティと考えればいいのではないではないかと思う。一度くらい会話したことがあっても毎回とは限らない。コミュニティはそれぞれの人ごとに異なるが、重なることもある。

 ある意味では、フェイスブックはサロンみたいなもので、そこにいけばかならず誰か「知り合い」がいるという、ネット上の場所と捉えるといいのではないか。英語の friend はかなりゆるい概念なので、日本語の友達より範囲が広い。

 サロンに来て、「やあ、こんにちは」と声をかけることもあれば、だまってみんなの議論に耳を傾けることもある。そんな自由な雰囲気が好きですね。とくに「いいね!」というボタンは日本版担当者の傑作だと思う。英語だと「Like」なのだが、「いいね!」とはずいぶんニュアンスが違う。

 私自身は、フェイスブックで形成される「ゆるい」関係が心地よい。これはリアル世界や、ネット世界の一部に存在する「世間」のうっとおしさがないという、風通しの良さにもつながっていると思う。

 こういう「ゆるい関係」が大きな意味をもってくる世の中に変わりつつある。
 これが、いま米国を中心に爆発的に拡大しているフェイスブックの世界である。


 フェイスブックについては、現在26歳の創業者マーク・ザッカーバーグを主人公にした映画 『ソーシャル・ネットワーク』が、日本でも2011年新春1月15日から日本公開される。
 
 ◆映画『ソーシャル・ネットワーク』 オフィシャル・サイト 
 ◆日本語版トレイラー
 ◆英語版 公式トレイラー

 創業者ザッカーバーグはニューヨーク州生まれでハーバード大学中退のプログラマー。この点はマククロソフト創業者のビル・ゲイツと同じ。
 ザッカーバーグもまた、名前からわかるとおりユダヤ系米国人だが、グーグルの創業経営者の二人ブリンとペイジとはまったく異なるタイプの人間のようだ。当然のことながら、ユダヤ系だからといって同じハズはない。

 こういった SNS の世界は、グーグルとは基本的な発送が違い、「関係」(つながり)のネットワークを活用したビジネスとして、フェイスブックなどのSNSには注目する必要がある。

 なお、私も FB(=Facebook)におりますので、ご興味があれば訪問してください。ただし、ログインするには登録が必要です。私自身の「ファンページ」はまだ作成しておりません(・・そう遠くないうちに作成予定)。

   

<ブログ内関連記事>

書評 『グーグル秘録-完全なる破壊-』(ケン・オーレッタ、土方奈美訳、文藝春秋、2010)

書評 『ネット・バカ-インターネットがわたしたちの脳にしていること-』(ニコラス・カー、篠儀直子訳、青土社、2010)


書評 『ビジネス・ツイッター-世界の企業を変えた140文字の会話メディア-』(シェル・イスラエル、林信行=解説、滑川海彦/前田博明訳、日経BP社、2010)

『つぶやき進化論- 「140字」が Google を超える! -』( エリック・クォルマン、竹村詠美 / 原田卓訳、イースト・プレス、2009)をレビューする

スマートフォン、ツイッター、そしてクラウド・コンピューティングという三題噺