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2012年2月22日水曜日

書評 『受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法-』(池谷裕二、新潮文庫、2011)記憶のメカニズムを知れば社会人にも十分に応用可能だ!

記憶のメカニズムを知れば、大学受験だけでなく社会人にも十分に応用可能だ

脳科学に関心のある人は、その大半が記憶がその関心の中心になるのではないか?

どうしたら記憶力を増強することができるのか、どうしたら記憶力の減退を防ぐことができるのか、なにかいい方法はないのか、と。

本書は、もともとは10年前に高校生向けに書かれた『高校生の勉強法』に、加筆修正した文庫版である。

脳科学の専門用語は必要最低限に押さえ込んでおり、たいへんわかりやすい文章であるが、押さえるべきところはすべて押さえてあるので、繰り返し読めば得るものはきわめて大きい。

本書の著者の池谷裕二博士は、記憶のメカニズムにおいて、きわめて重要な役目を果たしている海馬(かいば)についての研究で薬学博士号を取得した最前線の研究者である。しかも、一般人向けに記憶のメカニズムについてじつにわかりやすく説明してくれるサイエンスライターとしての才能をもつ人でもある。名著『記憶力を強くする』(講談社ブルーバックス、2001)がデビュー作だが、最新の研究成果を一般社会に還元してくれる、じつにありがたい存在だ。

基本的に大学受験を控えた高校生向けの本なのだが、脳科学のメカニズムに基づいた原理は共通しているので、勉強法としては高校生以外の一般社会人が読んでも、面白くてためになる好著になっているといえよう。

社会人の読者は、いままでの自分の勉強法がどこが正しいのか、どこが間違っているのか検証する読み方もいいかもしれない。中高校生には、正しい勉強法として推薦してあげたほしいとも思う。

しかし、「学問に王道なし」というように、「勉強法にも王道なし」と言っておかねばならないだろう。本書で解説されているのは「効率」的な勉強法とはいえ、「効果」が出てくるには時間がかかるのだ。なぜそうなのかも、ちゃんと解説されている。

巻末には、使用されている専門用語がすべて1ページに集約された索引がついているのもありがたい。その数、たったの27語

一般読者は、このリストにある専門用語すら覚える必要はないと思うが、よく読んでなぜそうなのかという脳科学のメカニズムだけは理解しておきたいものだ。現代人の必読書といえよう。







<初出情報>


■bk1書評「記憶のメカニズムを知れば、大学受験だけでなく社会人にも十分に応用可能だ 」することが必要だと気づかせてくれる好著」投稿掲載(2012年1月31日)
■amazon書評「記憶のメカニズムを知れば、大学受験だけでなく社会人にも十分に応用可能だ 」することが必要だと気づかせてくれる好著」投稿掲載(2012年1月31日)


書誌情報

『最新脳科学が教える 高校生の勉強法(東進ブックス)』(池谷裕二、ナガセ、2002)の改題増補、一部改稿

目 次                                  

第1章 記憶の正体を見る
第2章 脳のうまいダマし方
第3章 海馬と LTP(長期増強)
第4章 睡眠の不思議
第5章 ファジーな脳
第6章 天才を作る記憶のしくみ

著者プロフィール                                                
池谷裕二(いけがや・ゆうじ)                                         
1970(昭和45)年、静岡県藤枝市生れ。19988(平成10)年、東京大学・大学院薬学系研究科で薬学博士号取得。2002年から約2年半のコロンビア大学・客員研究員を経て、東京大学・大学院薬学系研究科・准教授。東京大学・大学院総合文化研究科・連携准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)







<ブログ内関連記事>

書評 『脳の可塑性と記憶』(塚原仲晃、岩波現代文庫、2010 単行本初版 1985)・・記憶研究を学問的水準を落とすことなく一般人向けに解説

脳科学を応用した健康維持法、とは

「知の風神・学の雷神 脳にいい人文学」(高山宏 『新人文感覚』全2巻完結記念トークイベント)に参加してきた

書評 『脳を知りたい!』(野村 進、講談社文庫、2010 単行本初版 2000)

書評 『脳と日本人』(茂木健一郎/ 松岡正剛、文春文庫、2010 単行本初版 2007)

書評 『ネット・バカ-インターネットがわたしたちの脳にしていること-』(ニコラス・カー、篠儀直子訳、青土社、2010)

本の紹介 『ユダヤ感覚を盗め!-世界の中で、どう生き残るか-』(ハルペン・ジャック、徳間書店、1987)

「三日・三月・三年」(みっか・みつき・さんねん)




(2012年7月3日発売の拙著です)









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