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2013年11月24日日曜日

書評 『語られざる中国の結末』(宮家邦彦、PHP新書、2013)-実務家出身の論客が考え抜いた悲観論でも希望的観測でもない複眼的な「ものの見方」


TV番組のコメンテーターとしてのおなじみの、元外交官の論客による渾身の中国論。新書本ながら内容の充実した一冊である。

中国を論じるということは、当然のことながら日本の行く末について論じることである。

日中の軍事衝突の可能性ばかりがマスコミでは取り上げられているが、いま実際に進行中なのは、見えないところでエスカレートしつつある「サイバー戦」というかたちの米中衝突である。

米中がリアルの戦争で全面衝突する事態は、米中ともに衝突は回避したいという思惑がある以上、現実的な可能性としては大きくないだろうが、偶発的な衝突が日本を巻き込んだ形で本格的な戦争に発展する可能性がゼロだとは言い切れない

もしそうなったとき、中国はいかなる「結末」を迎えることになるのか、著者はアタマの体操と称して、シナリオ思考を試みている。これくらいの蛮勇は必要だろう。現役の外務官僚が公表することはできないからだ。

「中国統一・独裁温存」から「中国漢族・少数民族完全分裂」という7つの精緻なシナリオが面白い。それにもまして、シナリオ思考の前提にいたる著者の思考が深みがあって興味深い。現実主義者の中国論、東アジア論としてじつに読み応えのある一冊だ。

以下、わたしが面白いと感じたポイントについて私見をまじえながら紹介したいと思う。


「脆弱性」と「トラウマ」というキーワードで中国と中国人をみる

日本人からみてもっとも理解しがたいのは、なぜ中国が中国本土以外にも膨張姿勢を続けているかということだ。しかも海洋で軍拡を続ける姿勢は、「海洋国家」日本にとっては脅威そのものである。尖閣諸島だけではなく沖縄まで対象に入っていると懸念されるからだ。

著者は、中国が膨張姿勢をとりつづける理由を「中華思想」などの文化論における固定観念には依存しない。これが本書の特長だ。

まず基本的な著者の歴史観は、ダイナミックな動態的な変動のプロセスで中国をみるものである。中国が弱体化すれば周辺諸民族は息を吹き返し、中国が強大化すれば領土拡張し少数民族が圧迫される。

つまり中国とはユーラシア大陸のに展開する「大陸国家」なのであり、日本がそのひとつである「海洋国家」とは根本的に異なる存在なのだ。大陸国家は海洋国家とは異なるロジックで衰亡するのである。

そう考えると、著者も言うように、中国はどうも海洋国家としては常識の「海洋自由の原則」などが感覚的に理解できていない節がある。中国が勝手に海に線引きする「第一列島線」や「第二列島線」の発想そのものが、また中国が公海上空に勝手に設定した「防衛識別圏」が、日本からみれば侵略的に映るのはそのためだ。

(中国が勝手に線引きしている「第一列島線」と「第二列島線」 wikipedia より)

著者は、中国が膨張姿勢をとりつづける理由を、いわゆる「西洋の衝撃」(Western Impact)を植民地化という形でプライドを傷つけられたトラウマに見ているいわば漢民族全体の精神分析であるが、おなじく「西洋の衝撃」をうけながらも、からくも植民地化を回避し、いちはやく近代化=西欧化をなしとげ、むしろ「西欧列強」の一員として中国大陸に軍事的進出を行った過去をもつ日本人にはなかなか理解しにくい

そもそも「面子」(メンツ)を気にするということ自体、限りなくジコチューに見える中国人が、じつはプライドが高いがゆえに傷つきやすく脆弱な性格をもっていることを示しているという著者の指摘は、まさに慧眼(けいがん)というべきだ。中国人は、けっして打たれづよい存在ではないようだ。

著者が指摘する「脆弱性」というキーワードを認識のベースに置くと、さまざまなことが見えてくる。

「改革開放」以後、経済発展路線に大きく舵を切った中国であるが、発展している地域は太平洋岸の沿海部に集中している。

江戸後期の日本の警世家・林子平ではないが、沿海部は海からの攻撃に対しては脆弱だ。冷戦時代に毛澤東が内陸部の重慶にあえて工業地帯を建設したのは、米国からの核攻撃を受けても生き延びるための戦略であったことを想起する。

攻撃の可能性があるのは、なんといっても米国海軍からだと中国はみているようだ。じっさいに米中戦争の危険が高まっているということではなく、潜在的にその可能性があると認識していることが重要なのだ。いわゆる「仮想敵国」である。しかも米国海軍の基地は日本列島に存在している。中国にとっては、いまそこにある脅威と捉えていても不思議ではない。

中国にとっては米国の存在は、日本にとっての米国とは大きく異なるようだ。米国は中国を植民地化したわけではないが、中国にとって立ちはだかる最後に残る「西欧列強」が米国という存在なのだ。

かつての植民地をすべて回復した現在(・・台湾は脇に置いておく)、もはや中国が受けたトラウマは癒えたのではないかと思うのは、米国の同盟国として過去50年以上を過ごしてきた日本人の発想に過ぎないようだ。


中近東関連のキャリアも長い外交官としての「複眼的な」知見が得難い

中国の専門家による中国論は、それこそ汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)というべきほど大量に発信されているが、いずれも帯に短したすきに長しというか、あまりにもポジショントーク的性格がつよすぎるのが難点である。

著者が凡百の論者たちと異なるのは、職業上のバックグラウンド、すなわち外交官としてのキャリアがもたらしたものも少なからずあることが推察される。

中近東関連の勤務が長いことは、今回はじめて著者プロフィールをみてわかった。宮家氏の「複眼的思考」の背景には、中国のみならず中近東があったわけだ。もしかすると、外務省が組織的に育成したのかもしれない。

さらにいえば米国も熟知しているわけであり、中国を日本からの視点、米国からの視点、そして中近東からの視点と、まさに複眼的かつ複合的に見ることができるポジションにいるわけである。

従来の「東アジア」「中東」といった縦割りの外交・安保政策立案プロセス自体も変える必要がある。いまや中東と東アジアは一つの「戦域」となりつつある。米軍が二正面作戦を戦えない以上、日本の東アジア政策と中東政策は一体となるべきなのだ。(P.243~244)

このさりげない文言は本書の主要テーマではないが、中国だけでなく中東も熟知する外交官経験をもっている著者の手前味噌と捉えるべきではない。

シーレーン防衛がもつ日本の経済安全保障にとってもつ死活的な意味を考えれば、中近東から米国まで至る、いわゆる「インド・太平洋」(Indo-Pacific)全体を安全保障の視野にいれたきわめて重要な発言だ。

また、経済専門家のワナを回避できるのは、複眼的思考と幅広い教養のたまものだ。「専門バカ」の危険を語って余りない。

中国のような開発途上国においては政治と経済は不可分の政治経済学状態であり、自由主義市場経済を前提に予測を行うエコノミストたちが政治音痴であるとして一刀両断し、専門家のワナにはまっている中国研究者たちの盲点を突く姿勢には大いに共感を覚える。


現実に影響を与えるものでなければ責任ある言論ではない

著者はみずからを「保守派」としているが、「保守派」というよりも「現実派」というべきだろう。

ビジネスパーソンに限らず外務官僚であっても、実務に従事する者はみな現実派たらざるをえない。その枠組みのなかで、いかにみずからの立ち位置を確保してリーダーシップを発揮するかが求められているわけである。

著者は中国は経済的に息詰まる局面を迎えるという予想のもと、さまざまなシナリオを想定して中国の行く末を考察するとともに、その状況に対して日本がいかに対処して、日本国憲法にうたわれている「国際社会において名誉ある地位を占める」という理念を実現するかと考える。

原理原則は、日本は海洋国家であって、大陸国家の中国とは根本的に異なる地政学的条件におかれていること。これは国際政治学者の高坂正堯(こうさか・まさたか)氏が『海洋国家日本の構想』(1965年)で明快に主張して以来、現実的にものを考える日本人の基本線になっている思考基盤である。

本書の帯には、現役の内閣総理大臣として安倍晋三氏による推薦文が掲載されている。「米国・中東も知る宮家氏の複眼的な分析力を信頼している」、とある。

一読して思うのは、安倍首相が宮家氏の見解をただしく理解しているのであれば、読者としてはそれ以上言うことはないということだ。最高指導者として政策として実行するかどうかは、その時の情勢と政治的な力学にかかっているからだ。

著者は最後の第8章の冒頭でこう言っている。

日本は東アジアのパワー・シフトを強(したた)かに生き残り、志を同じくする諸国とともに、その後の新たなる国際秩序づくりに参画することで、第二次大戦を真の意味での「歴史「としなければならないのである。(P.224)

これは、著者だけでなく、多くの日本国民が望んでいることだろう。日本国憲法にうたわれている「国際社会において名誉ある地位を占める」という理念の具現化である。

はたして日本は主体的な存在として歴史を切り開いていくことができるのか。著者の問いかけはしっかりと受け止めたいものである。





目 次

はじめに
序章 「戦闘」はすでに始まっている
第1章 沖縄の領有権は未解決だ-なぜいま中国は海軍力を増強しようとするのか
第2章 漢族の民族的トラウマ-「西洋文明の衝撃」への答えはいまだに出ていない
第3章 エコノミストたちの読み違い-経済が停滞するほど暴発の可能性は高まる
第4章 歴史が教える米中関係の「光と影」-ときには「相手の面子」を守ってやることも有効だ
第5章 米中サイバー戦の真実-日米の軍事基地がサイバー攻撃を受ける日
第6章 来るべき「第二次東アジア戦争」-はたして中国は民主化するか、それとも分裂するのか
第7章 日本は「中国の敗北」にどう向き合うか-大陸と一定の距離を置く「島国同盟」のススメ
第8章 第二次大戦を「歴史」にするために-日本はこの変化を「名誉回復のチャンス」と捉えよ
おわりに

著者プロフィール

宮家邦彦(みやけ・くにひこ)
1953年神奈川県生まれ。外交政策研究所代表。78年東京大学法学部を卒業後、外務省に入省。1976~1977年米ミネソタ大学、台湾師範大学、1979年カイロ・アメリカン大学、1981年米ジョージタウン大学で語学研修。1982年7月在イラク大使館二等書記官、1986年5月外務大臣秘書官、1991年10月在米国大使館一等書記官、1998年1月中近東第一課長、同年8月日米安全保障条約課長、2000年9月在中国大使館公使、2004年1月在イラク大使館公使イラクCPA(連合国暫定当局)に出向、2004年7月中東アフリカ局参事官などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。(*太字ゴチックは引用者=わたしによるもの)


<付論> 

Japan's Abe Seeks Friends in Asia—but Not China という 2013年11月21日付で Bloomberg BusinessWeek の記事に添付された地図。安部首相の2013年のアジア外遊を図示したものだ。



見事なまでに東南アジアと中国の周辺を集中的に訪問し、援助を約束していることがわかる。いわゆる「布石を打つ」」というやつだ。

いまそこにあるのは、中国との「影響力競争」。ハードパワーとソフトパワーの組み合わせである「スマートパワー」(ジョゼフ・ナイ教授)の実践とみることができるかもしれない。

「海洋国家」日本が生き残るためになにが必要か、この図から読み取りたいものだ。この図に中近東から日本までの海上の通商路である「シーレーン」を書きくわえれば、より戦略的な見取り図を得ることができる。さらにいえば、太平洋も右サイドに加えれば、日本がその中心に位置していることがわかる。だからこそ、この地域の戦略的意味がふたたび浮上してくるのである。

もちろん、いずれも「主権国家」だから、かならずしも日本が思うように動いてくれる保証はない遠心力と求心力をどうバランスさせるか、これは外交の話だと済ませることなく、企業経営においてもインプリケーションを読み取ることも必要ではないだろうか。


PS 中国が勝手に設定した「防空識別圏」と日本の「防空識別圏」


上記の図は「中国、新防空識別圏で対策を修正-米軍機の飛行で」というタイトルの WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)記事(2013年11月28日)に掲載されていたもの。

日本の「防空識別圏」はアメリカ占領軍が設定したものを独立回復後に引き継いだもの。つまりアメリカが設計した国際秩序であり、中国による思慮なき暴挙はアメリカに対する全面的な挑戦になるのである。 (2013年11月28日 記す)


PS2 「米国の安全保障環境認識と米軍配置状況」

報道によれば、沖縄の基地問題解決にメドがついたようだ。沖縄県知事がようやく「辺野古埋め立て」を承認するという(2013年12月25日)。自民党政権が長期化する見通しのもと、基地負担軽減策を評価したからだという。

おそらくそれだけでなく、「いまそこにある危機」を前にして、沖縄県知事としてもこれ以上反対をつづけることは国益に反するという世論の突き上げを感じているためだろう。沖縄県民も中国の脅威を体感するようになってきている。



上記の「米国の安全保障環境認識と米軍配置状況」という図は、『「普天間」交渉秘録』(守屋武昌、新潮文庫、2012)に付録としてつけられているものだ。

この図に編みかけで示されている「不安定の弧」のなかに、沖縄はまさにすっぱりと含まれているのだ。

今回の沖縄県知事の決断によって、国防体制が強化される見通しがついてきたのはじつに喜ばしい。しかし、沖縄県民がふたたび戦争の犠牲になることがないよう、日本は国家全体の意志として「いまそこにある危機」に対峙しなければらならないのだ。

もちろん戦争がいつ起こってもおかしくないという覚悟を国民一人一人がもつこともまたきわめて重要である。 (2013年12月26日 記す)




<関連サイト>

Kuni Miyake's Tenor of Tokyo (宮家邦彦氏のJBPress 英語版コラム)
・・「Former diplomat Kuni Miyake, an expert on China and Middle Eastern affairs, writes a weekly column on JBpress about politics and perceptions from key capitals including Tokyo, Beijing, Seoul and Washington in an effort to debunk myths and give readers a behind-the-scenes look into global politics.」

中国「太子党」でボロ儲けした米金融機関の手口(フォーサイト 会田弘継 2013年11月22日)
・・「いま「大戦略」を考えるときに、注目される言葉は「インド・太平洋(Indo-Pacific)だ。インド洋と西太平洋をまたぐと言う意味のこの言葉は、10年前にはほとんど使われていなかった。今やアメリカのアジア戦略を語るときには必須の言葉になってきている」。 米中をふんくんだ「大戦略」を考えるうえの好記事。

骨抜きにされた中国の防空識別圏(石 平、WEDGE  2013年12月17日)
・・日米による「防空識別圏」無力化と、中国側の面子(メンツ)をたててやった米国の振る舞いについて元中国人ならではの視点で書かれている好記事

周到に準備された防空識別圏-日本は2016年まで孤立状態が続く (イアン・ブレマー、インタビュアー=石黒千賀子、日経ビジネスオンライン 2013年12月20日)
・・イアン・ブレマー氏は、「コラム:2014年の10大政治リスク」2014’s top 10 political risks)で、第1位を「米国の同盟危機」(America’s troubled alliances)としている。「安全保障面では、米国の最友好国であるイスラエル、英国、日本にとって選択肢はほとんどない・・」(For security partnerships, America’s closest allies — Israel, Britain, Japan and others — have few options.)と書いている。「海洋国家」日本の立ち位置がいかなるものか、よく考えてみる必要がある

ビッグデータ分析で、中国政府による検閲の中身が明らかに ゲイリー・キング米ハーバード大学教授に聞く (日経ビジネスオンライン 2014年2月4日)
・・中国政府によって削除される前に入手した膨大なネット書きこみ情報を「ビッグデータ」の手法で解析することにより、検閲手法と方針が明らかになった!
「分かったことは、中国政府が監視しているのは、とにかく「団体行動」であるということです。人を扇動したり、抗議行動に駆り立てたり、政府以外の人間が他人をコントロールしようとする発言は即刻検閲されます。・・(中略)・・中国政府は恐らく、特定の話題に関するソーシャルメディアを監視していて、特定の話題が盛り上がる様子を眺め、突然投稿者たちが1つの方向で議論を始めて明らかに「炎上」した時に動くようです。団体行動を実行に移しそうな炎上の仕方が見られると、すべての炎上した投稿を削除してしまうのでしょう。それが、政府寄りだろうが、反政府寄りだろうが、関係ない。団体行動の芽が見えたらとにかく取り締まる」

The American Public's Indifference to Foreign Affairs | Stratfor Geopolitical Weekly TUESDAY, FEBRUARY 18, 2014 (George Friedman)
・・アメリカは「衰退」しているのではない。第二次大戦時や冷戦時代とは異なり、アメリカを取り巻くコンテクストが変化したため、国民が外交にも内政にも「無関心」になったのだ、という趣旨。Stratfor主筆ジョージ・フリードマン論考。コンテクストは経営用語なら外部環境と言い換えていいだろう

中西輝政が語る 25年後の米中と日本がとるべき長期戦略 (WEDGE編集部、2014年04月22日)
・・「世界の覇権国としての米国の地位は、25年後も現在とさして変わらないだろう。一方、中国に起こり得る3つのシナリオとは…」

クリミアと尖閣は表裏一体 日米同盟の緊密化が世界秩序を維持する(中西輝政・京都大学教授、WEDGE、2014年5月22日)

中国は壊滅的打撃受け、今までの発展が水の泡に 米中開戦のシミュレーション、ランド研究所が公表 (渡部悦和・元陸将、JBPress、2016年8月23日)

(2016年8月23日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

書評 『中国外交の大失敗-来るべき「第二ラウンド」に日本は備えよ-』(中西輝政、PHP新書、2015)-日本が東アジア世界で生き残るためには嫌中でも媚中でもない冷徹なリアリズムが必要だ

書評 『それでも戦争できない中国-中国共産党が恐れているもの-』(鳥居民、草思社、2013)-中国共産党はとにかく「穏定圧倒一切」。戦争をすれば・・・
・・「戦争になったら、間違いなく中国共産党は滅びる。中国共産党=中華人民共和国である以上、「亡党亡国」となるのは必定なのである。」


「大陸国家」中国の海洋進出

書評 『海洋へ膨張する中国-強硬化する共産党と人民解放軍-』(飯田将史、角川SSC新書、2013)-事実を淡々と述べる本書で正確な認識をもつことが必要だ

書評 『尖閣を獲りに来る中国海軍の実力-自衛隊はいかに立ち向かうか-』(川村純彦 小学館101新書、2012)-軍事戦略の観点から尖閣問題を考える

書評 『「普天間」交渉秘録』(守屋武昌、新潮文庫、2012 単行本初版 2010)-政治家たちのエゴに翻弄され、もてあそばれる国家的イシューの真相を当事者が語る
・・「不安定の弧」の中心でトラブルメーカーとなっているのが中国の海洋進出

書評 『続・100年予測』(ジョージ・フリードマン、櫻井祐子訳、ハヤカワ文庫、2014 単行本初版 2011)-2011年時点の「10年予測」を折り返し点の2016年に読む
・・この本には面白い指摘がある。「中国は東西に4000キロの広がりをもち、14の国と国境を接している、海に面しているのは一方向だけで、北、西、南方を、事実上侵入不可能な障壁によって隔離された、太平洋の縁にはりつく細長い島と考えるとイメージしやすい」(P.251)


中国経済の見通し

書評 『中国台頭の終焉』(津上俊哉、日経プレミアムシリーズ、2013)-中国における企業経営のリアリティを熟知しているエコノミストによるきわめてまっとうな論
・・中国経済がかかえる問題を、短期・中期・長期で整理し、課題解決の可能性とその困難さについて中国での企業経営に精通したエコノミストが書いた本。中国にとって致命的なのは、人口減少がまもなく始まるという事実である

書評 『自由市場の終焉-国家資本主義とどう闘うか-』(イアン・ブレマー、有賀裕子訳、日本経済新聞出版社、2011)-権威主義政治体制維持のため市場を利用する国家資本主義の実態
・・中国は権威主義政治体制維持のために市場を離湯尾する「国家資本主義」

書評 『中国バブル崩壊』(日本経済新聞社編、日経プレミアシリーズ、2015)-現在進行形の事象を整理するために有用な本


中国人の視点から中国を考える

ジャッキ-・チェン製作・監督の映画 『1911』 を見てきた-中国近現代史における 「辛亥革命」 のもつ意味を考えてみよう

ひさびさに宋文洲さんの話をライブで聞いてきた!-中国人の「個人主義」について考えてみる

書評 『チャイナ・ギャップ-噛み合わない日中の歯車-』(遠藤誉、朝日新聞社出版、2013)-中国近現代史のなかに日中関係、米中関係を位置づけると見えてくるものとは?
・・幼少時代を中国国民党支配下から中国共産党支配下の中国で過ごした著者は中国人の視点がいかなるものであるかを教えてくれる


書評 『拝金社会主義中国』(遠藤 誉、ちくま新書、2010)-ひたすらゼニに向かって驀進する欲望全開時代の中国人

「稲盛哲学」 は 「拝金社会主義中国」を変えることができるか?
・・「拝金社会」のもと心が折れそうになっている中国人が心のよりどころとするものはなにか?


海洋国家日本と地政学上のポジション

書評 『海洋国家日本の構想』(高坂正堯、中公クラシックス、2008)
・・海は日本の生命線!

書評 『日本は世界4位の海洋大国』(山田吉彦、講談社+α新書、2010)
・・点と線ではなく、面、さらには体積をもった三次元で考えよ


・・米中関係の太さについての重要な指摘が行われている本である。あまり読まれていないのが残念だ。「2章 日米の宿命の関係 1. 同盟国から仮想敵国へ 2. 幻想のアジア 3. 米中同盟=日本の破滅 4. アメリカの日本観 5. 再び日米戦争論」は必読

書評 『大英帝国衰亡史』(中西輝政、PHP文庫、2004 初版単行本 1997)-「下り坂の衰退過程」にある日本をどうマネジメントしていくか「考えるヒント」を与えてくれる本
・・「英国に対する挑戦者としてヨーロッパ大陸から急速に勃興し英国を脅かす存在となったドイツが、何かしら日本に対して挑戦者として急速に勃興してきた中国を想起させるものがある」

書評 『モンゴル帝国と長いその後(興亡の世界史09)』(杉山正明、講談社、2008)-海洋文明国家・日本の独自性が「間接的に」あきらかに


(2014年1月31日「春節」開始の日に情報追加)
(2015年1月23日、2016年7月20日 情報追加)




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