「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2024 禁無断転載!



2014年1月5日日曜日

ユーラシア大陸における「馬」は、東南アジアにおいては「象」に該当する

(タイ語で象はチャーン タイ語の文字を覚えるための教育用壁掛け))


ユーラシア大陸における「馬」は、東南アジアにおいては「象」に該当する。

いきなりそういう話を聞かされてもピンとこないかもしれない。

その心は何か?

●「家畜」という共通点があること
●人間の乗り物であるということ
●荷物の運搬をするということ

人間が馬を家畜化したことによって、スピードと機動力という2つの武器を手に入れたことは、『馬の世界史』(本村凌二、中公文庫、2013、講談社現代新書 2001) に書かれてあるとおりだが、この本を読んでいて思い出したのはタイの象のことだった。

人間は馬が牽引する戦車を軍事に使用し、その後は騎兵という形を展開した。もちろん軍事だけではなく、馬車として荷物の輸送にも交通手段としても使用している。

現在では馬のこうした側面は失われてしまったが、それは馬が機械にとって代わられたからだ。その痕跡は「馬力」というコトバや「コーチ」というコトバに残されている。

ユーラシアの大平原では馬のもつスピードと機動力という2つの武器がいかに大きな意味をもったかは想像するだけでも壮大な話である。13世紀のモンゴル帝国に成立によって東西ユーラシアがつながったことによって「世界史」が誕生したということを知れば納得のいく話だろう。

(タイ語で馬はマー タイ語の文字を覚えるための教育用壁掛け)

だが、東南アジアのインドシナ半島には、ユーラシアのような大平原はない。

そこにあるのは山岳地帯や熱帯の密林地帯である。平原はあっても河川流域の水田耕作地帯であり、いわゆるステップの乾燥地帯ではない。そのような地理条件においては、農耕においては水牛が使用され、馬はかならずしも存分に活躍してはいない。

インドシナ半島の山岳地帯に登場するのが「象」なのだ。

日本では象というと、動物園で愛嬌をふりまく「象さん」というイメージしかないだろうが、東南アジアでも、南アジアのインドでもスリランカでも、「象」は「家畜」として飼育され、じつに多くの役割を果たしている

象を「家畜」だと認識している人は、さすがに日本でも欧米でも少ないようだが、「野生の象」が「家畜の象」とは明らかに異なる存在であることは確かなことだ。アジア象(・・さいきんではインド象とは言わないようだ)はじつに賢いのだ。これは芸達者な象を動物園で見ている人なら納得する話だろう。

人間の乗り物であるということ、荷物の運搬をするということにかんしては、じっさいにタイの山岳地帯のふもとにあるチェンマイやチェンライにいけば、エレファント・ライディング・ツアーがあるので体験可能だ。

山岳地帯や密林地帯では、のっしのっしと大地を踏みしめながら山道を越えてゆく象がいなければ生活が成り立たないと言っても言い過ぎではないのだ。すくなくともクルマが導入されるまでは象の社会的意味はきわめて大きいものがあった。

仏教経典に象がよくでてくるのは、北インドではそれほど象の意味が大きかったということだ。お釈迦様の母親のマーヤ夫人(ぶにん)が白象の夢をみたことや、ブッダその人もまた、その言行録『ダンマパダ』(法句経)において「象のごとくゆっくり歩め」と何度も語っている。

タイ映画で歴史ものを見たことのある人なら、象が戦争に使用されていたことも知っていることだろう。象にのった戦士どうしの戦闘シーンはスペクタル映画ならではの醍醐味がある。

ユーラシア大陸で戦争につかわれたのが馬であるなら、東南アジアでは象が戦争につかわれたのだ。

こう見てくれば、ユーラシア大陸における「馬」は、東南アジアにおいては「象」に該当することがよくわかるはずだ。これはアナロジー思考である。

コンセプトを抽出してみると、「馬」と「象」、そして「自動車」の共通性が見えてくるのである。




<ブログ内関連記事>

「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)

タイのあれこれ (16) ワットはアミューズメントパーク
・・見世物としての象はバンコク市内では当たり前のように見られる

タイのあれこれ (24) DVDで視聴可能なタイの映画-③ 歴史もの
・・象にのった戦士どうしの戦闘シーンはスペクタル映画ならではの醍醐味!

『ブッダのことば(スッタニパータ)』は「蛇の章」から始まる-蛇は仏教にとっての守り神なのだ

書評 『馬の世界史』(本村凌二、中公文庫、2013、講談社現代新書 2001)-ユーラシア大陸を馬で東西に駆け巡る壮大な人類史


 
 (2020年12月18日発売の拙著です)


(2020年5月28日発売の拙著です)


 
(2019年4月27日発売の拙著です)



(2017年5月18日発売の拙著です)


   
(2012年7月3日発売の拙著です)

 





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end