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2016年4月2日土曜日

書評『明治のサーカス芸人はなぜロシアに消えたのか』(大島幹雄、新潮文庫、2015)ー 幕末の「開国」後、いち早く海外に飛び出したのは軽業師たちだった


『明治のサーカス芸人はなぜロシアに消えたのか』(大島幹雄、新潮文庫、2015)という本を一気読みした。じつに面白い本だ。

幕末に「開国」した日本だが、開国後いちはやく日本を飛び出して海外に出て行ったのは軽業師(かるわざし)たちだったのだ。いとも簡単に海を越えていったのは軽業師たちならではというべきか。

西洋のサーカスにはない日本の曲芸に目をつけた外国人プロモーターたちが、その国の外交官に働きかけ、日本政府に旅券を発行させ渡航させたのである。

この本に登場するのはロシアに渡った軽業師たち。サーカス王国のロシアにとってさえ、江戸時代に大流行していた日本の軽業や曲芸は驚異的だったのだ。海を渡った軽業師たちは、ウラジオストクからロシアに入国し、広大なロシア国内をサーカス団として巡業していたのである。

そんな彼らも日露戦争やロシア革命といった歴史の激動に巻き込まれている。日露戦争では多くの軽業師たちは帰国を余儀なくされたが、なかにはロシアに残った者もあり、ソ連になってからも生き抜いた人たちもいたらしい。なんとスターリンによる粛清の犠牲者もいたのだ。

ロシアを中心とした海外からサーカスを呼び寄せるプロモーター会社に勤務する著者による、執念の探索から生まれたノンフィクションである。

 コトバなどできなくても、身に着けた芸さえあれば渡世できるということでありますね。知られざる日本人たちの軌跡はじつに興味深い。




目 次
プロローグ  
第1章 日露戦争前のロシアに渡ったサーカス芸人
 1. なぜ彼らは海を渡ったのか
 2. ロシアで好評を博した日本人たち
第2章 追跡、謎のヤマダサーカス
 1. 戦慄のハラキリショー
 2. 山根ハルコのロシア放浪記
 3. 極東サーカス-サーカスがつないだ日本とロシア
 4. 帰ってきたイシヤマ
 5. ジャグラー、タカシマ伝説
 6. 戦争とサーカス
第3章 サーカスと革命
 1. 山根ハルコの悲劇
 2. アヴァンギャルドとタカシマ
 3. イルクーツクのドクター・シマダ
第4章 粛清されたサーカス芸人
 1. ヤマサキ・キヨシの運命
 2. ナロフォミンスクからの手紙
 3. パントシ・シマダの秘密
 4. 究極のバランス芸
エピローグ
あとがき

著者プロフィール

大島幹雄(おおしま・みきお)
1953(昭和28)年宮城県生れ。早稲田大学第一文学部露文科卒。サーカス・プロモーター。アフタークラウディカンパニー(ACC)勤務。海外からサーカスや道化師を招聘し、日本全国での興行をプロデュースするほか、石巻若宮丸漂流民の会事務局長、早稲田大学非常勤講師も務める。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



<関連サイト>

『明治のサーカス芸人は なぜロシアに消えたのか』 シマダ・グループによる「究極のバランス」
・・著者が入手した貴重な映像! 『明治のサーカス芸人は なぜロシアに消えたのか』(祥伝社、2013)のカバーに登場するのがシマダ・グループによる「究極のバランス」。





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ロシアとシベリア

『ピコラエヴィッチ紙幣-日本人が発行したルーブル札の謎-』(熊谷敬太郎、ダイヤモンド社、2009)-ロシア革命後の「シベリア出兵」において発生した「尼港事件」に題材をとった経済小説

「石光真清の手記 四部作」 こそ日本人が読むべき必読書だ-「坂の上の雲」についての所感 (4)
・・日露戦争前夜からロシアと満洲で情報活動を行った日本人の手記

書評 『女三人のシベリア鉄道』(森まゆみ、集英社文庫 、2012、単行本初版 2009)-シベリア鉄道を女流文学者たちによる文学紀行で実体験する
・・大正時代を中心としたシベリア鉄道で欧州に旅した女性作家たち

映画 「百合子、ダスヴィダーニヤ」(ユーロスペース)をみてきた-ロシア文学者・湯浅芳子という生き方

飛んでウラジオストク!-成田とウラジオストクの直行便が2014年7月31日に開設

書評 『「シベリアに独立を!」-諸民族の祖国(パトリ)をとりもどす-』(田中克彦、岩波現代全書、2013)-ナショナリズムとパトリオティズムの違いに敏感になることが重要だ

書評 『ソ連史』(松戸清裕、ちくま新書、2011)-ソ連崩壊から20年! なぜ実験国家ソ連は失敗したのか?

『ソビエト帝国の崩壊』の登場から30年、1991年のソ連崩壊から20年目の本日、この場を借りて今年逝去された小室直樹氏の死をあらためて悼む

書評 『ロシア革命で活躍したユダヤ人たち-帝政転覆の主役を演じた背景を探る-』(中澤孝之、角川学芸出版、2011)-ユダヤ人と社会変革は古くて新しいテーマである

書評 『プーチンと柔道の心』(V・プーチン/ V・シェスタコフ/A・レヴィツキー、山下泰裕/小林和男=編、朝日新聞出版、2009)

書評 『ろくでなしのロシア-プーチンとロシア正教-』(中村逸郎、講談社、2013)-「聖なるロシア」と「ろくでなしのロシア」は表裏一体の存在である


軽業師の「芸」はあくまでもプロの技

学校教育で強制されるタワーやピラミッドなどの「組み体操」は、ただちに全面禁止にすべきだ!-大阪市教育委員会の英断を絶賛したい(2016年2月12日

(2016年4月5日 情報追加)


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