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2017年8月15日火曜日

JBPress連載第6回目のタイトルは、「独立から70年!いよいよ始まるインドの時代-舞台はインド、日英米はさらに密接な関係に」(2017年8月15日)


JBPressの連載コラムの最新コラムが本日公開です。連載開始から6回目となります。

タイトルは、独立から70年!いよいよ始まるインドの時代-舞台はインド、日英米はさらに密接な関係に                 
⇒ ここをクリック http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50760

本日8月15日は、「インド独立」から70年の節目です。

冒頭の文章を紹介しておきましょう。

本日8月15日は「終戦記念日」72年目になる。日本人にとってはきわめて重要な1日だ。「終戦の詔勅」が出された日であり、「玉音放送」をめぐる政府中枢の緊迫した24時間を描いた映画のタイトルにもなった「日本のいちばん長い日」である。
だが、目を国外に向けてみれば異なる意味合いがあることに気づく。(・・中略・・) 
「植民地からの独立」ということで言えば、奇しくも日本の「敗戦」からちょうど2年後の1947年8月15日、インドが英国から独立した。今年2017年はインド独立から70年目の節目となる。インドは、英国支配の182年の歴史から脱したのである。

本文では、インドと英国の関係について、英国がインドに残した「遺産」について書いてます。それがいったい何を意味するのか? そして日本との関係は? 

みなさんにとって、日本の将来を考える材料となれば幸いです。ぜひご一読ください。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50760


次回のコラムは、8月29日公開予定です。お楽しみに。








<ブログ内関連記事>

■インド独立の影に

ボリウッド映画 『ミルカ』(インド、2013年)を見てきた-独立後のインド現代史を体現する実在のトップアスリートを主人公にした喜怒哀楽てんこ盛りの感動大作 ・・新生インド陸軍の兵士となってから陸上競技に開眼したミルカ。シク教徒は、インドとパキスタンがブリンする形で「独立」した際、居住地域のラージャスターン地方が中間地帯で会ったため、虐殺と難民化という悲劇に見舞われる


■ヒンドゥー・ナショナリズム関連

「ナレンドラ・モディ インド首相講演会」(2014年9月2日)に参加してきた-「メイク・イン・インディア」がキーワード
・・2014年の政権交代の結果、返り咲いたBJP(=インド人民党)の党首モディ

書評 『ヒンドゥー・ナショナリズム』(中島岳志、中公新書ラクレ、2002)-フィールドワークによる現代インドの「草の根ナショナリズム」調査の記録
・・インドの宗教問題を複雑化させているヒンドゥー至上主義者とその政党であるBJPについて。『軍事大国化するインド』(2010年)の出版後、ふたたびBJPが政権に復帰した。ナショナリズムが軍事大国に拍車をかけるか?

書評 『インド日記-牛とコンピュータの国から-』(小熊英二、新曜社、2000)-ディテールにこだわった濃厚な2ヶ月間のドキュメントで展開される日印比較による「近代化論」と「ナショナリズム論」


■インド関連

書評 『巨象インドの憂鬱-赤の回廊と宗教テロル-』(武藤友治、出帆新社、2010)-複雑きわまりないインドを、インドが抱える内政・外交上の諸問題から考察

梅棹忠夫の『文明の生態史観』は日本人必読の現代の古典である!
・・インドの地政学的位置と文明を、東洋と西洋の中間にある「中洋」と命名した梅棹忠夫

書評 『インドの科学者-頭脳大国への道-(岩波科学ライブラリー)』(三上喜貴、岩波書店、2009)-インド人科学者はなぜ優秀なのか?-歴史的経緯とその理由をさぐる ・・核ミサイル設計能力を自力で有する科学大国インド

書評 『軍事大国化するインド』(西原正・堀本武功=編、亜紀書房、2010)-「軍事大国化」への道を進む巨象インドの実態を知ることのできるバランスのとれた入門書

ボリウッド映画 『ロボット』(2010年、インド)の 3時間完全版を見てきた-ハリウッド映画がバカバカしく見えてくる桁外れの快作だ!


■大英帝国時代のインド

日印交流事業:公開シンポジウム(1)「アジア・ルネサンス-渋沢栄一、J.N. タタ、岡倉天心、タゴールに学ぶ」 に参加してきた


■インドと英国

書評 『大英帝国の異端児たち(日経プレミアシリーズ)』(越智道雄、日本経済新聞出版社、2009)-文化多元主義の多民族国家・英国のダイナミズムのカギは何か?

ボリウッドのクリケット映画 Dil Bole Hadippa ! (2009年、インド)-クリケットを知らずして英国も英連邦も理解できない!




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2017年8月13日日曜日

書評 『未来の年表-人口減少日本でこれから起きること-』(講談社現代新書、2017)-人口減少によってもたらされる「静かな有事」は、見たくないが直視しなければならない「未来」


『未来の年表-人口減少日本でこれから起きること-』(河合雅司、講談社現代新書、2017)が、ベストセラーになっている。帯には12万部(!)とある。発売わずか2ヶ月でここまで売れていると言うことは、読者が抱く危機感に訴えるものがきわめて大きいからだろう。

本書は2部構成で、第1部は「人口現象カレンダー」。第2部は「日本を救う10の処方箋-次世代のために、いま取り組むこと」。つまり、確実にやってくることが予想される「未来」の想定から「現在」を逆照射する発想法による内容だ。

第1部は、正直いって「見たくない未来」である。だが、それは「いま、そこにある危機」である。すでにことし2017年、この国は「おばあちゃん大国」に足を踏み出しているのである。

インパクトのある「未来年表」は帯に一部が印刷されているが、ショッキングなのはそれだけではない。すでに予兆が見えているものも多々ある。それぞれの項目に該当する世界や業界では、おそらく周知の事実なのであろう。知らないのは部外者だけなのだ。

だkら、こういう形で一冊にまとめられた意味は大きい。「未来」を俯瞰的に眺め、「未来」から逆算的に「現在」の問題点をあぶり出すことに成功しているからだ。



著者は、人口減少によってもたらされる危機を「静かな有事」と呼んでいる。その意味は、北朝鮮の核問題や中国による尖閣危機などとは性格の異なる「有事」だからだ。しかも「目に見えないところで静かに潜行している危機」だけに、気がつきにくい。

第2部の「対策編」は、実行可能性についてはやや疑問がないとはいえない。そんな感想もなくはない。

だが、とくにビジネス界では当たり前となりつつある言説、たとえば「移民導入」や「AI」などが効果的な対応策だという「通説」にかんしては、著者は疑問を投げかけており、読んでいて考えさせられることも少なくない。

「見たいものを見る」、「見たくないものから目をそらす」というのが、無意識のうちに行っている一般的な人間の態度だ。本書は、「見たくない未来」の最たるものだろう。

流行り物には、かならず一度は触れてみるというマインドセットが、とくにビジネスパーソンには必要だ。 たとえそれが「見たくないもの」であっても。

だからこそ、目をそらさず読むべき本なのだ。





目 次

はじめに

第1部 人口減少カレンダー 
 序 2016年、出生数は100万人を切った
 2017年 「おばあちゃん大国」に変化
 2018年 国立大学が倒産の危機へ
 2019年 IT技術者が不足し始め、技術大国の地位揺らぐ
 2020年 女性の2人に1人が50歳以上に
 2021年 介護離職が大量発生する
 2022年 「ひとり暮らし社会」が本格化する
 2023年 企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる
 2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」へ
 2025年 ついに東京都も人口減少へ
 2026年 認知症患者が700万人規模に
 2027年 輸血用血液が不足する
 2030年 百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える
 2033年 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
 2035年 「未婚大国」が誕生する
 2039年 深刻な火葬場不足に陥る
 2040年 自治体の半数が消滅の危機に
 2042年 高齢者人口が約4000万人とピークに
 2045年 東京都民の3人に1人が高齢者に
 2050年 世界的な食料争奪戦に巻き込まれる
 2065年 外国人が無人の国土を占拠する
   
第2部 日本を救う10の処方箋-次世代のために、いま取り組むこと 
 序 小さくとも輝く国になるための第5の選択肢
 【戦略的に縮む】
  1・「高齢者」を削減
  2・24時間社会からの脱却
  3・非居住エリアを明確化
  4・都道府県を飛び地合併
  5・国際分業の徹底
 【豊かさを維持する】
  6・「匠の技」を活用
  7・国費学生制度で人材育成
 【脱・東京一極集中】
  8・中高年の地方移住推進
  9・セカンド市民制度を創設
 【少子化対策】
  10・第3子以降に1000万円給付
    
おわりに 未来を担う君たちへ
結びにかえて

著者プロフィール

河合雅司(かわい・まさし)
1963年、名古屋市生まれ。産経新聞社論説委員、大正大学客員教授(専門は人口政策、社会保障政策)。中央大学卒業。内閣官房有識者会議委員、厚労省検討会委員、農水省第三者委員会委員、拓殖大学客員教授など歴任。2014年、「ファイザー医学記事賞」大賞を受賞。主な著作に『日本の少子化 百年の迷走』(新潮社)、『地方消滅と東京老化』(共著、ビジネス社)、『中国人国家ニッポンの誕生』(共著、ビジネス社)、『医療百論』(共著、東京法規出版)などがある。 2014年、「ファイザー医学記事賞」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



PS シンクロニシティ?-「現在」を起点にした認識の本2冊

「現在」を起点に「未来」へ、「現在」を起点に「過去」へと認識を展開する。方向性は違うが認識のあり方としては同等だ。

百田尚樹氏のベストセラー『今こそ、韓国に謝ろう』 (飛鳥新社、2017)のkindle版 の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で隣り合わせになっていた「未来年表」と「逆回し」。読者もなかなかいいチョイスをしているな、と。

(amazonサイト 2017年8月13日時点)

もちろん、瞬間風速的な偶然なので、『未来の年表』(講談社)『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、出版社も違うし、したがって編集者も違うので直接的な関係にはありません。「未来年表」の著者とは面識もありません。

とはいいながら、『正論』(2017年9月号)では「読書の時間」で、ともに「書評」として見開き2ページで取り上げられているので、たんなる偶然とは見なせないかもしれないかな、と思ってみたりもして・・・。出版時期も近いし、まったく無縁とはいえないのかも。まさかそこまで考えて選書はしていないと思いますが。

著者プロフィールをみると、著者の河合雅司氏は1963年生まれとある。1962年生まれのわたしとは同世代ではないか!

こういうのを「シンクロニシティ」というのかな?


(月刊誌『正論』2017年9月号の「読書の時間」 P.326~329)



<ブログ内関連記事>


「東京オリンピック」(2020年)が、56年前の「東京オリンピック」(1964年)と根本的に異なること
・・2020年が東京のピークになるという現実は、すでにオリンピック開催が決定した2014年には指摘されていた

書評 『東京劣化ー地方以上に劇的な首都の人口問題-』(松谷明彦、PHP新書、2015)-東京オリンピック後がこわい東京。東京脱出のすすめ!?

書評 『なぜローカル経済から日本は甦るのか-GとLの経済成長戦略-』(冨山和彦、PHP新書、2014)-重要なのはグローバルではなくローカルだ!


■人口問題と移民・難民

書評 『自爆する若者たち-人口学が警告する驚愕の未来-』(グナル・ハインゾーン、猪俣和夫訳、新潮選書、2008)-25歳以下の過剰な男子が生み出す「ユース・バルジ」問題で世界を読み解く
・・「1900年まではヨーロッパの人口は総計4億6千万人、すなわち世界人口の 1/4 がヨーロッパ人だった(!)のだが、いまや世界におけるムスリム人口は 2010 年に 16 億 人を超え、2030 年には世界人口の 26% に達すると推計されている。2030年には世界人口の 1/4 がイスラームを信じるムスリムとなるのである! (・・中略・・) いま欧州各地で蔓延する極右も、思想的なものというよりも、労働力過剰による失業率高止まりが原因と考えるべきだろう。「人口増大」はなくても仕事が減れば労働力過剰となる。そう考えれば、日本でも同様の状況にならないという保証もない。」
      
『移住・移民の世界地図』(ラッセル・キング、竹沢尚一郎・稲葉奈々子・高畑幸共訳、丸善出版、2011)で、グローバルな「人口移動」を空間的に把握する
    
欧州に向かう難民は「エクソダス」だという認識をもつ必要がある-TIME誌の特集(2015年10月19日号)を読む

『単一民族神話の起源-「日本人」の自画像の系譜-』(小熊英二、新曜社、1995)は、「偏狭なナショナリズム」が勢いを増しつつあるこんな時代だからこそ読むべき本だ
・・「植民地を抱えていた「戦前」は多民族国家が常識であったのに対し、植民地を失って縮小した「戦後」は単一民族国家が常識となった」


■先を読むにために必要なこと

『大本営参謀の情報戦記-情報なき国家の悲劇-』(堀 栄三、文藝春秋社、1989 文春文庫版 1996)で原爆投下「情報」について確認してみる
・・予兆や徴候からいかに先読みするかについて。元陸軍情報将校の痛切な回想




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2017年8月12日土曜日

書評 『日米同盟のリアリズム』(小川和久、文春新書、2017)-軍事のリアリズムを中心に政治経済まで視野に入れて分析した「戦争力」


米国と北朝鮮のチキンレースが続いている毎日ですが、そんな状況だからこそ妙に浮き足だったり、あるいは逆に、どうせ関係ないよとばかりに不感症にならないようにつとめなけなりませんね。

そこでぜひ読むことを薦めたいのが、『日米同盟のリアリズム』(小川和久、文春新書、2017)。7月の新刊ですが、すでにベストセラーになっているようです。

 「日米同盟のリアリズム」とは、強固な日米軍事同盟があるがゆえに、近隣の中国も北朝鮮も手を出せないというのが現実の状況のこと。日本に手を出せば、ただちに米国から手痛いしっぺ返しをくらうから。ちょっかいを出してきても「寸止め」にとどめるしかないわけです。

その昔の冷戦時代、「日本列島は不沈空母だ」といった首相がいましたが、米国にとって日本の存在は、その世界戦略にとってなくてはならない不可欠の存在絶対に手放せるわけがないのです。たとえ日本が「離脱」しようとしても、そうはできない仕組みと仕掛けがすでに「埋め込まれているのが実態なのです。
   
現在のような状況を「属国」だという政治的な主張をする人たちもいますが、そういう主張と、自分とその家族や友人の「生命財産」とどっちが大事か考えるまでもありませんね。

「属国」とまでは言わなくても、「半独立」状態であることまでは、わたくしも否定しません。すくなくともこの事実だけはアタマのなかに入れておいて、あとはリアリズムに徹して行動するしかないのです。

この本でとくに面白いのは、北朝鮮にかんする分析です。北朝鮮の究極の狙いは、米国に対する「核抑止力」を確立することで、コストのかかる通常兵力を削減し、予算の多くを経済発展に回したいという「インドモデル」(・・これは「中国モデル」でもある)があるのではないか、という見解が紹介されています。

なるほど!な見解です。目が開かれるような思いがしますね。となると、北朝鮮による ICBM発射実験は交渉戦術の一環と考えた方が理にかなっているわけです。

とはいえ、北朝鮮にとっての「核抑止力」の確立とは、北朝鮮の核が今後も消えることがないことを意味することになるわけですが、日米同盟が存在する限り、日本の安全は保障されるというのが著者のロジックとなるのでしょうか? 

この見解が正しいかどうかはさておき、読者にとっての「考える材料」として提供してくれるのは、軍事のリアリズムと同時に、政治経済も分析できる軍事アナリストしかいないでしょう。
  
もちろん、世の中には絶対に安全ということはありえません。「備えあれば憂いなし」。そして「人事を尽くして天命を待つ」。日本と日本人の安全を守るのは自分たちだという覚悟は不可欠。

そういったことを十分に承知したうえで、浮き足立つことなく、逆に不感症になることなく、冷静に考えることが必要。そための参考資料として、読む価値の高い一冊です。





目 次

はじめに 日本を守る最善の選択はなにか?
 日知米同盟が北朝鮮と中国を抑止する
第1部 世界最強の日米同盟
 米国は日米同盟を手放せない
 自主防衛は幻想である
第2部 北朝鮮vs.日米同盟
 1994年北朝鮮核危機の真相
 北朝鮮の軍事力の実像
 日・米・韓の「戦争力」と金正恩斬首作戦
 米朝チキンゲーム
 北朝鮮はインド、中国型経済成長を目指す
第3部 中国vs.日米同盟
 東シナ海で中国を抑え込む日米同盟
 南シナ海での米中衝突はあるか?
 中国の戦略は「三戦」と「A2/AD」



著者プロフィール

小川和久(おがわ・かずひさ)

軍事アナリスト。1945年、熊本県生まれ。陸上自衛隊生徒教育隊・航空学校修了。同志社大学神学部中退。新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。外交・安全保障・危機管理(防災、テロ対策、重要インフラ防護など)の分野で政府の政策立案に関わり、国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、日本紛争予防センター理事、総務省消防庁消防審議会委員、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。小渕恵三内閣では野中広務官房長官とドクター・ヘリを実現させた。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)

<関連本の紹介>

本書で言及されている『在日米軍-軍事占領40年目の戦慄-』(小川和久、講談社、1985)は、発売当時に読んで、それ以後の思考に大きな影響を受けた本だ。米軍の許可を受けて行った実態調査をまとめたリポートである。いま手元にはないが、重要な事項はアタマのなかに刻み込まれている。

また、本書の中国にかんする分析は、くわしくは中国の軍事力-台頭する新たな海洋覇権の実態-』(小川 和久・西 恭之、中央公論新社、2014)を参照。日米中の戦力を冷静に比較検討したリポートで、中国の「三戦」(=輿論戦・心理戦・法律戦)おなじく中国の「A2/AD」(=接近阻止・領域拒否 Anti-Access/Area Denial)について、より詳しい説明がある。





<関連サイト>

映画『ザ・デイ・アフター』(The Day After  1983年)( YouTube)
・・核ミサイルの落下と核爆発、わきあがるキノコ雲と爆風。パニックに陥る群衆。この映画が製作公開されたのは、いまだ米ソ冷戦時代のまっただなかであった。ことさら終末(ドゥームズデイ)意識の強いキリスト教保守派の多い米国人のイマジネーションの中にある核戦争はこういうものか? 

・・韓国が東京に向けて核ミサイルを発射するという、とんでもない映画。南北統一によって北朝鮮の核を手に入れたいという韓国人の密かな(?)欲望の現れか? 途中でまったく迎撃されないという設定が理解不能だが


<ブログ内関連記事>

書評 『仮面の日米同盟-米外交機密文書が明らかにする真実-』(春名幹男、文春新書、2015)-地政学にもとづいた米国の外交軍事戦略はペリー提督の黒船以来一貫している
・・日本防衛のための駐留が第一目的ではないとしても、米軍にとって日本列島がロジスティクス上の重要な位置づけである点は否定しようがない事実だ。大平洋からインド洋に欠けて展開する米軍にとって、日本に基地がなければ支障を来す

書評 『日米同盟 v.s. 中国・北朝鮮-アーミテージ・ナイ緊急提言-』(リチャード・アーミテージ / ジョゼフ・ナイ / 春原 剛、文春新書、2010)

書評 『2020年日本から米軍はいなくなる』(飯柴智亮、聞き手・小峰隆生、講談社+α新書、2014)-在日米軍縮小という外部環境変化を前提に考えなくてはならない
・・シナリオとしてありえないわけではない

書評 『ビジネスパーソンのための世界情勢を読み解く10の視点-ベルリンの壁からメキシコの壁へ-』(森千春、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017)-「冷戦後」の世界情勢を「現場」で読み抜いてきた国際報道記者の視点
・・朝鮮半島問題もテーマとしてかかわってきた国際報道記者による解説書

書評 『それでも戦争できない中国-中国共産党が恐れているもの-』(鳥居民、草思社、2013)-中国共産党はとにかく「穏定圧倒一切」。戦争をすれば・・・
・・「戦争になったら、間違いなく中国共産党は滅びる。中国共産党=中華人民共和国である以上、「亡党亡国」となるのは必定なのである。」

書評 『語られざる中国の結末』(宮家邦彦、PHP新書、2013)-実務家出身の論客が考え抜いた悲観論でも希望的観測でもない複眼的な「ものの見方」
・・この記事に掲載した各種資料を参照

書評 『なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか-中華秩序の本質を知れば「歴史の法則」がわかる-』(石平、PHP新書、2015)-首尾一貫した論旨を理路整然と明快に説く
・・「中華秩序」を破壊したのが近代日本であったという事実。これはしっかりとアタマのなかに入れておかねばならない。琉球処分と日清戦争における日本の勝利によって、「中華秩序」は破壊された。だからこそ、中国の指導者は絶対に日本を許せないのである。」

書評 『中国外交の大失敗-来るべき「第二ラウンド」に日本は備えよ-』(中西輝政、PHP新書、2015)-日本が東アジア世界で生き残るためには嫌中でも媚中でもない冷徹なリアリズムが必要だ

書評 『尖閣を獲りに来る中国海軍の実力-自衛隊はいかに立ち向かうか-』(川村純彦 小学館101新書、2012)-軍事戦略の観点から尖閣問題を考える

書評 『平成海防論-国難は海からやってくる-』(富坂聰、新潮社、2009)-「平成の林子平」による警世の書
・・海上保安庁巡視艇と北朝鮮不審船との激しい銃撃戦についても言及。海上保安官は命を張って国を守っている!

書評 『海洋国家日本の構想』(高坂正堯、中公クラシックス、2008)-国家ビジョンが不透明ないまこそ読むべき「現実主義者」による日本外交論
・・海は日本の生命線!




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2017年8月11日金曜日

書評 『ビジネスパーソンのための世界情勢を読み解く10の視点-ベルリンの壁からメキシコの壁へ-』(森千春、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017)-「冷戦後」の世界情勢を「現場」で読み抜いてきた国際報道記者の視点


『ビジネスパーソンのための世界情勢を読み解く10の視点-ベルリンの壁からメキシコの壁へ-』(森千春、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017)は、 「冷戦崩壊後」の四半世紀を海外報道記者としてつぶさにみてきた著者による解説書。著者からいただいて一気読みしたが、それだけの面白さのある内容だ。

現在は読売新聞論説委員の著者は、海外報道30年で欧州総局長を歴任、ベルリン駐在中に1989年の「ベルリンの壁」崩壊を取材、その経験を踏まえたうえでソウル特派員として南北分断のつづく朝鮮半島を取材するなど、豊富な「現場」経験をもつ国際報道記者

「冷戦崩壊後」の四半世紀の世界情勢は、2016年の英米による「グローバル化への逆流」で大きな転換期を迎えたわけだが、面白いのは「冷戦後」の世界のなかで登場したメルケル首相と、「大転換」を引き起こした当の本人であるトランプ大統領との根本的な違い

著者は、そんな重要な指摘を何気ない一言で触れているが、見過ごすことのできない重要な気づきのひとつだ。このほかにも、本書のいたるところに、著者の30年に及ぶ経験からにじみ出た、重要な指摘が多くちりばめられている

さすがに「ベルリンの壁」の崩壊と朝鮮半島情勢の分析は詳しいが、特派員としてベルリンに駐在していた若き日の失敗体験は、若手ビジネスパーソンには他山の石として教訓になることだろう。

著者が強調しているのは、「先見性」の重要性、そして「理念」にこだわりすぎると足元をすくわれること。これは世界各国の政治リーダーを観察してきた著者ならではの教訓だ。これもまた、ビジネスパーソンにとっては教訓となることだろう。

ぜひ一読してほしい一冊である。





目 次  

はじめに
視点その1 グローバル化の時代だからこそ国家の役割は重みを増す-ネーションの復権が起こす世界各地の大変動
視点その2 政治指導者は先見性が問われる-「ベルリンの壁」崩壊とドイツ統一 「ベルリンの壁」ができた経緯
視点その3 激動期にこそ各国の性格が現れる-イギリスのEU離脱とトランプ当選
視点その4 理念へのこだわりはつまずきにつながる-実務家メルケル首相の難民政策での失敗
視点その5 民族の性格が危機を招く-韓国の苦悩 韓国の経済発展
視点その6 グローバル化した世界でも、核兵器は格別の強みとなる-北朝鮮の核開発
視点その7 宗教を知れば世界が見える-アラブの春から「イスラム国」へ
視点その8 民主主義は後退する局面にある-プーチン大統領のロシア
視点その9 帝国が復活している-南シナ海を巡る中国とアメリカの対立
視点その10 生き残りのためには強みを生かす必要がある-日本の厳しい安全保障環境
あとがき

著者プロフィール

森千春(もり・ちはる)
1958年、石川県金沢市生まれ。東京大学教養学部ドイツ学科卒。1982年、読売新聞社入社。1989~1993年、ベルリン特派員。「ベルリンの壁」崩壊と東西ドイツ統一を取材。1997~2001年、ソウウル特派員。2005~72009年、欧州総局長。現在、論説委員。著書に『「壁」が崩壊して-統一ドイツは何を裁いたか』(丸善ブックス)、『朝鮮半島は統一できるのか-韓国の試練』(中公新書ラクレ)がある。(本書奥付より)



PS あわせて読んで欲しい関連書籍

(『世界情勢を読み解く10の視点』に掲載の書籍案内)


ことし5月19日に出版した拙著 『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017)は、「近現代史」の240年間を扱っているので、「冷戦後」の25年間の扱いはどうしても小さなものとなってしまった

その意味では、『世界情勢を読み解く10の視点』とあわせ読むことで、世界情勢を立体的に捉えることができるのではないかと思う。ディスカヴァー・トゥエンティワン者から出版された、『ビジネスパーソンのための・・・』というタイトルで始まる「姉妹本」と考えていただいてよいかな、と。

その際、ぜひ副読本として手元に置いて欲しいのが、『増補改訂版 最新世界情勢地図』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2016)。フランス人研究者2人の共同執筆による、豊富な地図で図解した地政学の入門書だ。じつによくできたカラー図版満載のビジュアル本。複眼的な視点をもつにはもってこいの好著である。






<関連サイト>

『ビジネスパーソンのための世界情勢を読み解く10の視点』 出版社サイト



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「現代史」を軽視してきた「歴史教育」のツケをどう克服するか?-歴史教育の現場で「逆回し」の実践を!




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2017年8月10日木曜日

「現代史」を軽視してきた「歴史教育」のツケをどう克服するか?-歴史教育の現場で「逆回し」の実践を!

(NHKのニュースサイトより)


昨日(2017年8月9日)のことだが、NHKの夜7時のニュースで、かなり衝撃的な内容の調査結果が放送されていた。

「終戦の日14%が「知らない 18歳と19歳世論調査(NHK)」である。「選挙権年齢」が昨年(2016年)に、20歳から引き下げられて18歳になったのを踏まえて世論調査を行ったのだという。

結果をかいつまんで要約すると、調査に回答した18歳と19歳のうち、「終戦の日」がいつかを知っていたのは14%としかいないという衝撃的に低い数字が出たのである。

だが、記事をよく読むと、広島と長崎に原爆が投下されたことを知っていたのは99%であることも書かれている。この点にも注意を払う必要がある。

「東京大空襲」(3月10日)やその他各都市における「空襲」について質問されたのかどうかはわからないが、なぜ「終戦の日」が「14%」と低いのに、「原爆の日」が「99%」が高いのか、その違いについて、もっと探求する必要がありそうだ。

メディアにおける露出度の量的な違いも背景にあると考えるべきだろう。

以下、記事内容そのものではなく、記事に触発されて考えたことを記しておきたい。


教育現場で「現代史」の授業がおろそかにされてきたツケが顕在化

「「終戦の日」がいつかを知っていたのは14%」という調査結果が示しているのは、教育現場で「現代史」の授業がおろそかにされてきたツケが顕在化しているといえる。

「歴史教育」の授業では、古代から始まって現代に至るという「歴史の流れ」を重視しているが、たいていは「現代」に入る前に終わってしまう。これでは、現代史にかんする基本的知識が身につくはずがないし、関心もわかないのも当然だろう。

「地理教育」の授業では、自分が住んでいる市区町村、都道府県、それから世界地理へと、視野の拡大を促す仕組みになっている。つまり、身近で興味のあるもの、身の回りのものから始まって、自分がいったことのない地域を知るという仕組みである。

歴史教育も、地理教育の仕組みを応用すべきであろう。身近で興味のあるもの、身の回りのものから始めるのだ。小学校でやってきた方法を、高校でも繰り返すのだ。

 「現在」からさかのぼれば、たとえ若者であっても「自分史」と重なるし、親や祖父母など大人の体験談ともクロスすることになる。そうなれば、「現代史」から始まって「歴史」全般に興味を抱くことになるはずだ。つまり視野の拡大を過去に向かって行うのだ。


「現在」を起点に「未来」へ、「過去」に向かう

そもそも、人間というものは近い過去であっても忘却しやすい。思い出せないということが多々あるものだ。未来も同様にわからない。つまり、確実にわかるのは「現在」だけなのである。

だからこそ、「現在」を起点に、「過去」をさかのぼっていくという方法で歴史を考えるべきなのではないだろうか。誰でも「現在」を起点に「未来」を考えているのに、「過去」に対してそれを行わないのは不思議なことだ。向かう方向が違うだけで、やっていることは同じなのに。

『新・学問のすすめ 人と人間の学びかた』(阿部謹也・日高敏隆、青土社、2014年) という本の「第3章 「学び」 の原点はどこにあるのか」には、以下のような対話がある。西欧中世史が専門の歴史学者・阿部謹也は、動物行動学が専門の生物学者・日高敏隆との対話録だ。(*アンダーラインは引用者=さとう による)

阿部 教科書というのはパターンが決まっていて、歴史でいえば古代から始まっているん ですよ。ぼくは、現代からさかのぼっていくような、そういう歴史を書くべきだといっ ているのですが。
日高  「いま現在、こうである」ということから始まって、なんでそうなっているのかと いうふうにしていけば、みんな興味をもちますよ。

拙著 『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017)は、そのサジェスチョンを踏まえて「近現代史」を記述した試みだ。それを比喩的に「逆回し」と表現してみた。

基本的に「世界史」なので、「日本史」に特化した内容ではないが、当然のことながら「日本の終戦=敗戦」についても触れている。

同じような試みを、歴史教育の現場でも「実践」していただきたいと思う。そうすれば、みな興味を持つことだろう。

「現在」から「未来」に向かう、「現在」から「過去」に向かう方向性。それが、人間にとっては自然な知性の働きであり、認識のあり方なのだから。






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「逆回し」とは?--『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』は常識とは「真逆」の方法で製作された歴史書であり、ビジネス書である

書評 『新・学問のすすめ-人と人間の学びかた-』(阿部謹也・日高敏隆、青土社、2014)-自分自身の問題関心から出発した「学び」は「文理融合」になる

書評 『人間にとって科学とはなにか』(湯川秀樹・梅棹忠夫、中公クラシック、2012 初版 1967)-「問い」そのものに意味がある骨太の科学論
・・科学的認識の方向性は、現在を起点にして、過去と未来の二つの方向に展開されうることが、同書で指摘されていることを紹介した(・・下図を参照)。

(人間の認識は「現在」を起点に「未来」と「過去」に向かう)


「理科のリテラシー」はサバイバルツール-まずは高校の「地学」からはじめよう!
・・まずは足元の大地の構造から始めて、地球全体、そして宇宙に視野を広げていく

『愛と暴力の戦後とその後』 (赤坂真理、講談社現代新書、2014)を読んで、歴史の「断絶」と「連続」について考えてみる
・・「戦後」とは何か?「戦中」と「戦前」を否定し隠蔽した「戦後」とは何か?考えるためのキッカケとなる本

(2017年8月12日 情報追加)




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2017年8月8日火曜日

なぜスズメバチが何度も何度も部屋に侵入してくるのだ!?-8月8日(ハチ・ハチ)に思うこと

(殺虫剤噴霧後、窓ガラスとカーテンのあいだに挟まったスズメバチ 筆者撮影)


今年2017年は、先月7月のことからなのだが、なぜだかわからないが、やたらめったらスズメバチが部屋に侵入してくる「被害」にあっている。

ここで「被害」と書いたのは、あくまでも人間の側からの視点だが、スズメバチのような大型で凶暴な性格をもつハチは、人間だけでなくミツバチにとっても「迷惑」な存在であることは否定できない。

現在の住居は、集合住宅の7階。そんなとこまで飛んでくるとは、スズメバチのパワーには恐るべきべきものがある。なるほど、スズメバチのエキスが、アミノ酸含有飲料としてスポーツドリンクに使用されるわけだ。スズメバチの幼虫である「蜂の子」を食べる人たちもいるわけだ。

冒頭に掲載した写真は、先週のことだが、部屋に侵入してきたスズメバチを殺虫剤で追いやった際のものだ。殺虫剤を噴霧して追いやったら、窓とカーテンのあいだにはさまってもがいていることがベランダ側から見てわかった。それをスマホで撮影したものだ。

殺虫剤といってもスズメバチ専用のものではもちろんなく、家庭で一般的に使用されるキンチョールである。

スズメバチのような大型で凶暴なハチは、叩いたりしたら逆襲してくる可能性があって危険だろう。そう直観的に思ったので、手元にあった殺虫剤を噴霧してみたら、かなり苦しむことがわかった。

初めて実行したのは7月のことだが、ネットで調べてみたら、幸いなことにスズメバチは殺虫剤に弱いことがわかった。中枢神経をやられたら、スズメバチとはいえ、もがき苦しむことになる。

殺虫剤を噴霧してガスの幕ができると、スズメバチがこちらに向かってこないのだ。これもまた、殺虫剤噴霧の利点だ。とにかくスズメバチが向かってくるだけで恐怖だからね。

スズメバチには、侵入はあきらめて退散してもらえばそれでいいのであって、それ以上のことを望んでいるわけではけっしてない。もがき苦しんでいるとはいえ、下手したら刺される恐れがあるし、猛毒をもっているので危険だ。

それにしても、なぜこんなにも何度も何度もスズメバチが部屋のなかに侵入してくるのだ!?

7月が空梅雨で暑かったから成長が早かったからか? それとも巣作りの場所を求めて、部屋のなかに入ってきたのか? それとも、スズメバチの巨大な巣が近所にあるのか??

本日は8月8日。「ハチ・ハチ」の語呂合わせというわけではないが、スズメバチについて書いてみた。 

それにしても、スズメバチは怖い。見るだけでも怖くていやだねえ。ブ~ウ~ウ~ウンという振動音を、すわスズメバチの羽音か!と、幻聴のように聞いてしまうまでになっている。










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ミツバチについて考えるのは面白い!-玉川大学農学部のミツバチ科学研究センターの取り組み
・・ミツバチが集団でスズメバチを包囲して高温で蒸し殺すこともあるという。ミツバチも単体だとスズメバチの餌食になってしまうが、集団になるとすごいのだ

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・・蓮の実は蜂の巣のような形状なので、ハチスからハスになったという語源説あり




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2017年8月7日月曜日

『正論』最新号(2017年9月号)に拙著の「書評」が掲載されました-「まことに厄介な、かつスリリングな歴史書」


月刊誌『正論』の最新号(2017年9月号)に、2017年5月19日出版の拙著『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017)の「書評」が掲載されてます!

掲載されているのは「読書の時間」の欄の筆頭。見開き2ページにわたっての掲載です(P.326~327)。

「逆回し」の本質を的確に指摘された好意的な「書評」は、著者としてはうれしいものです。

ぜひ『正論』でご覧になってください!






■「書評」に触発されたあらたな「読み方」

「書評」を繰り返し読んでみて、「なるほど!こういう読み方もあるのか!」と著者自身が勉強になったという思いがしました。

「逆回し」の意味を的確かつ、著者であるわたくしも思いつかなかったような観点で見抜いてくれてます。

「現在」への関心から出発しなければ、歴史を知る意味はないというのは、わたしが拙著で強調した姿勢ですが、このために採用したのが「逆回し」という方法論「書評」に触発されて、以下のようなことがアタマに浮かんできました。

「逆回し」の歴史によって、歴史は過去から未来に向かって直線的に進んでいくという「進歩史観」や「自虐史観」、さらには「贖罪史観」にとどめを刺すのではないか、と。「書評」ではそこまで踏み込んで書かれているわけではありませんが、わたしの解釈も間違っていないのではないかな、と。

「グローバリゼーション」が行き着くところまで行ってしまい、地球全体がほぼ網の目のようにつながってしまった現在、かえって「ネーション」が浮上してくるという逆説。

地球が一体化するという「グローバリゼーション」によって一つに」「収斂」(しゅうれん)すると思われた「歴史」が、ふたたび「ネーション」やその他の小さな単位によって、」それぞれのロジックに従って「拡散」していくという逆説。

である以上、中国共産党の主張する歴史観と、いまこの日本に生きる日本人ビジネスパーソンの歴史観が一致しないのは当然といえば当然です。歴史は「複雑系」であるだけでなく、「歴史は一つではない」、ということですね。

歴史は、一義的に決定してしまうものではありません。確率論的に見なければならないのです。



「まことに厄介な、かつススリリングな歴史書」

「書評」の末尾の締めの一文がまたすごい。「まことに厄介な、かつススリリングな歴史書を書いてくれたものである」。著者としては、面映ゆい思いをするばかりです。

「ビジネス書」というよりも「歴史書」として取り上げていただいた、ということですね。

このような「書評」をいただき、著者冥利に尽きるというもの。 「逆回し」の本質を的確に指摘された好意的な「書評」に感謝するばかりです。






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「逆回し」とは?--『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』は常識とは「真逆」の方法で製作された歴史書であり、ビジネス書である
・・「逆回し」発想の舞台裏を明かす

「ビジネス書か歴史書か、それが問題だ!」-『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』を書店のどのコーナーに並べるか?
・・「ビジネス書」のフォーマットによる「歴史書」という試み

2017年5月18日に5年ぶりに新著を出版します-『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』(佐藤けんいち、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017)




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2017年8月6日日曜日

マンガ 『夕凪の街 桜の国』(こうの史代、双葉社、2004)-「原爆後」のヒロシマを一人の女性と彼女に連なる人たちの人生をとおして描く連作マンガ



本日は8月6日。ことしは2017年、あれからもうすでに72年になります。

とはいえ、何年たとうが、この日が人類史上初めて原爆が使用された日であることに変わりない。

 原爆投下そのものも悲劇ですが、原爆投下後も被爆者の苦しみは続く・・・

 『夕凪の街 桜の国』(こうの史代、双葉社、2004)は、原爆後のヒロシマを、一人の女性と彼女に連なる人たちをとおして描く連作マンガです。

昨年2016年にアニメ映画化されてヒットした『この世界の片隅に』の原作者のよるもうひとつの作品。「戦後」は「原爆後」でもあったのです。

ぜひ一度は読んで欲しいマンガです。



著者プロフィール

こうの史代(こうのふみよ)  

1968年広島市生まれ。1995年『街角花だより』でデビュー。主な著作は『夕凪の街 桜の国』、『長い道』、『ぴっぴら帳』、『さんさん録』。好きな言葉は、ジッドの「私はいつも真の栄誉を隠し持つ人間を書きたいと思っている」(amazonより)





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原爆関連

オバマ大統領が米国の現職大統領として広島の原爆記念館を初めて訪問(2016年5月27日)-この日、歴史はつくられた

「原爆の日」-立場によって歴史観は異なって当然だ

書評 『原爆を投下するまで日本を降伏させるな-トルーマンとバーンズの陰謀-』(鳥居民、草思社、2005 文庫版 2011

書評 『原爆と検閲-アメリカ人記者たちが見た広島・長崎-』(繁沢敦子、中公新書、2010)

原爆記念日とローレンス・ヴァン・デル・ポストの『新月の夜』

『大本営参謀の情報戦記-情報なき国家の悲劇-』(堀 栄三、文藝春秋社、1989 文春文庫版 1996)で原爆投下「情報」について確認してみる

広島の原爆投下から66年-NHKスペシャル 「原爆投下 活かされなかった極秘情報」 をみて考える

書評 『アメリカに問う大東亜戦争の責任』(長谷川 煕、朝日新書、2007)-「勝者」すら「歴史の裁き」から逃れることはできない

東京大空襲から70年(2015年3月10日)-空爆は「無差別殺戮」である!

「夢の島」にはじめて上陸(2014年11月15日)-東京都江東区の「夢の島」に日本戦後史の縮図をみる
・・夢の島にある「第五福竜丸展示館」には、水爆被害にあった第五福竜丸が実物展示されている

書評 『原発と権力-戦後から辿る支配者の系譜-』(山岡淳一郎、ちくま新書、2011)-「敗戦国日本」の政治経済史が手に取るように見えてくる
・・自民党は第五福竜丸の水爆被害もその一つもキッカケとなった反原水爆運動と反米運動をいかに乗り切って原発政策を推進したのか




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2017年8月5日土曜日

映画 『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(2016年、米国)を見てきた(2017年8月4日)-ビジネスパーソンなら絶対に見るべき「生きたケーススタディ」


映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(2016年、米国)を有楽町の角川シネマで見てきた(2017年8月4日)。この映画はじつに面白い。ビジネスパーソンなら絶対に見るべきだ。

マクドナルドの「ファウンダー」(=創業者)であるアメリカ人起業家レイ・クロックの伝記映画である。エンターテインメント作品としての完成度は高く、ものすごい密度の濃い内容で、あっというまに115分がたってしまう。

起業家のレイ・クロックは「フランチャイズ」の仕組みをつかって、マクドナルドを米国全体に急拡大させ、さらには世界全体に拡大して「帝国」を築いた人だ。

映画のタイトルである「ファウンダー」とはレイ・クロックのことを指している。だが、最初のアイデアそのものは彼自身のものではなかった。

1954年、なんと52歳(!)のとき、セールス活動をつうじて偶然知ったのが、南カリフォルニアのサン・バーナデイーノでマクドナルド兄弟が経営するハンンバーガーショップ。直観的にピンときた彼は、セールス中の中西部から西海岸までクルマを飛ばす。思い立ったら即行動なのだ。

徹底的にムダを排除した効率的な運営と、合理的なセルフサービスでコスト削減と高品質を両立させているコンセプトに驚く。しかも、1954年時点でハンバーガーはアメリカ国内でもポピュラーではなかったのだ。

マクドナルド兄弟が追求していたのは、徹底した「標準化」だ。動作研究による合理的な導線設計。まさにアメリカを世界最強の製造業立国に押し上げた「テイラー主義」の精神であり、量産体制を確立したフォーディズムのサービス産業への応用だ。1929年の大恐慌後を経て、兄弟がたどりついたコンセプトである。

それが「原石」であることをただちに認識し、そこにビジネスチャンスを見いだしたレイ・クロックは、マクドナルド兄弟を熱心に口説き落として、フランチャイズ拡大にエネルギッシュに動きだした。その意味で、「ファウンダー」はマクドナルド兄弟ではなく、レイ・クロックであったといって間違いではないわけだ。

レイ・クロックが価値を見いだしたのは仕組みだけではない。「McDonald’s」(=マクダーノーズ)という「名前」そのものに価値を見いだしたのだ。そして「ゴールデンアーチ」というM字のロゴ。これらは、ブランドを構成する要素であり、知的財産権そのものだ。教会の十字架、裁判所の米国国旗に並ぶ存在にしてみせるのだという意気込みがまたすごい。

南カリフォルニアで生まれたコンセプトは、中西部イリノイ州からフランチャイズは始まった。ローカルからナショナルへの拡大。地域繁盛店から全国展開へ。

フランチャイズ拡大プロセスのなか、マクドナルドの創業者兄弟とフランチャイズによる拡大を精力的に推し進めるレイクロックは、ついに決定的対立に至る。この関係は、発明家と事業家の関係に似ているかもしれない。将来像の違いが決裂を生んだのだが、その結果はどうなったか。これは言うまでもないことだ。

そして、成功の秘密は「根気」(persistence)に尽きると、とレイ・クロックは何度も繰り返す。つまり、絶対にあきらめない、ということだ。それはこの映画を見ていれば、おのずから納得させられる。リスク・テーカーであり、ルール・ブレイカーであり、ゲーム・チェンジャーだったレイ・クロックならではの箴言だ。

セールスマンにとってのポジティブ・シンキング、効率的店舗運営フランチャイズ・システムネーミングとロゴで表現されるブランドと知的財産権不動産ビジネスとファイナンスなどなど、ビジネス関連ネタがてんこ盛り。

スピーディーな展開とマシンガントークのようなアメリカ英語が、いやがおうでもテンションを盛り上げる。 この映画はビジネスパーソンなら絶対に見るべきだ。いや、アメリカ社会やアメリカ文化を知るうえでも中身の濃い映画だといえよう。

超おすすめ。


(米国版ポスター)

PS 米国版のポスターと比べると、日本版のポスターは、主人公のレイ・クロックとM字「ゴールデンアーチ」の位置が微妙に違う。日本版ポスターは、なんだかM字が道化がかぶるフールズ・キャップみたいに見えてしまうのだが、日本版の製作を担当したデザイナーは気がついているのだろうか?






<関連サイト>

映画『ファウンダー』 公式サイト

映画『ファウンダー』 FBページ



柳井正と孫正義が憧れた「マック創業者」「クロックは私にとって恩人です」(プレジデント・オンライン、2017年8月5日)




<ブログ内関連記事>

プラクティカルな観点から日本語に敏感になる-藤田田(ふじた・でん)の「マクド」・「ナルド」を見よ!
・・映画のなかでも「マクダーノーズ」という名前が重要だとピンときたとレイ・クロックは協調している。マクドナルドを日本で成功させた藤田田(ふじた・でん)もまた、レイ・クロックに勝るとも劣らない「怪物」であっった。しかも「知ある偽悪派」の怪物であった

世の中には「雑学」なんて存在しない!-「雑学」の重要性について逆説的に考えてみる
・・藤田田の『ユダヤの商法』について取り上げている

書評 『マクドナルドで学んだすごいアルバイト育成術』(鴨頭嘉人、新潮文庫、2015)-「仕事をつうじて成長する」、ということ

深夜のマクドナルドは「社会インフラ」である!-これがほんとの「社会貢献」ではないか?

日米親善ベース歴史ツアー」に参加して米海軍横須賀基地内を見学してきた(2014年6月21日)-旧帝国海軍の「近代化遺産」と「日本におけるアメリカ」をさぐる
・・米軍基地内のマクドナルドについて。ドナルド君がいる!

合掌ポーズの「ワイ」はクセになる-タイのあれこれ(番外編)
・・タイのマクドナルドではドナルド君はワイ(合掌)で迎えてくれる。これぞローカリゼーション!

ペスタロッチは52歳で「教育」という天命に目覚めた
・・人生に遅すぎるということはない!




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2017年8月4日金曜日

ミドリ色のミンミンゼミ-8月上旬のこの時期はまだセミの鳴き声もうっとおしくない

(緑色のミンミンゼミ 筆者撮影)

本日は8月4日。関東地方南部。ほとんど空梅雨で、ものすごく暑かった7月のあと、台風がらみの曇りや雨が続いて、なんだか、かつてような普通の8月といった日々となっている。

気がつけばいつものように、セミが鳴き出した。ミ~ン ミン ミ~ンと鳴くミンミンゼミだ。

昨日のことだが、ゼミが路上に転がっているのを見た。目線の高さから見たとき、もうはやセミが死んでるのかと思ったが、セミはひっくり返ってはいんかった。生きてはいるが、あまり活発さはない。寿命が尽きかけているのは間違いない。

そんなセミを接写してみた。
キレイなミドリ色をしたセミ。ミンミンゼミ。

8月上旬のこの時期は、まだセミの鳴き声もうっとおしくない。うっとしいのは真っ黒なアブラゼミ。うだるような暑さそのもののアブラゼミはまだ登場していない。

ミンミンゼミのあとは真夏のアブラゼミ、そして夏が終わりかけた頃にはツクツクボウシ。それ以外にも多くの種類のセミがいるのだろうが、そんなセミが 7年間も幼虫として土の中で生きているのかと思うと、じつに不思議な感じになる。

カゲロウほど薄命ではないが、「セミの命は短くて・・・」とつぶやきたくなる。







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猛暑の夏の自然観察 (1) セミの生態 (2010年8月の記録) 

猛暑の夏の自然観察 (3) 身近な生物を観察する動物行動学-ユクスキュルの「環世界」(Umwelt)

真夏日のそこにあるのはセミの穴-足元を見よ!④

空蝉(うつせみ)とはセミの抜け殻のこと-『源氏物語』の「空蝉」をめぐってつれづれに

書評 『土の科学-いのちを育むパワーの秘密-』(久馬一剛、PHPサイエンス・ワールド新書、2010)-「土からものを考える視点」に貫かれた本

玉虫色の玉虫!





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2017年8月3日木曜日

「私鉄沿線」からアプローチする「日本近現代史」-永江雅和教授による姉妹作 『小田急沿線の近現代史』(2016年)と『京王沿線の近現代史』(2017年)を読む


日本では一般的に「私鉄」とは生活路線であり、中核都市から放射状に伸びた路線の沿線、すなわち郊外に居住する住民や学生が通勤や通学などの日常的利用が主目的の鉄道路線である。

その沿線の住人や沿線に勤務地や学校などない限り、その私鉄に乗ることもない。わざわざ「乗り鉄」として乗りに行く人も少ないだろう。したがって、その路線の利用者でないとあまり関心がない
のは当然だ。

東京であれ大阪であれ、またその他の中核都市であれ、その中核都市を起点に放射状に拡がっていくのが私鉄だ。東京の場合は、南は東京湾になるので、基本的に東西方向が多い。小田急線や京王線や西武線のように西方向に、京成線のように東方向にいく路線である。北方向に向かう東武線だ。

専修大学経済学部の永江雅和教授からいただいたのが、小田急線と京王線の「沿線史」だ。タイトルはそれぞれ、『小田急沿線の近現代史』(永江雅和、クロスカルチャー出版、2016) と 『京王沿線の近現代史』永江雅和、クロスカルチャー出版、2017)。姉妹本である。

この2冊の「姉妹本」は、「地域史」とは重なる面もあるが、それとは異なるカテゴリーというべきかもしれない「沿線史」といった観点から「日本近現代史」を描いたものだ。経済史の観点からみた、「鉄道史」であり「沿線開発史」となる。

著者の永江教授が教鞭をとっている専修大学は「小田急沿線」に立地している。歴史に関心のない大学生の興味を引き出すために行っている講義を書籍化したものだそうだが、小田急を利用している人には面白い内容だと思う。パラレルに東西方向を走っている京王線もまた。

構成もまた工夫されていて、小田急線は始発の新宿駅から終点の小田原駅まで、京王線は始発の渋谷駅から終点の高尾駅まで、沿線にそって話が展開する。各駅停車の旅みたいなスタイルは、内容にはよくフィットしているといえる。ビデオ化するといいかもしれない。

鉄道ファンには、「乗り鉄」や「撮り鉄」などさまざまな形があるが、「読み鉄」といった楽しみがあってもいいのかもしれない。「日本鉄道史」は「日本近現代史」そのものだし、「沿線開発」もまたそうだからだ。

西武鉄道と東急電鉄については、その創業者たちがアクの強い起業家であったこともあり、作家の猪瀬直樹氏による1980年代に出版されたノンフィクション作品が、それぞれ『ミカドの肖像』『土地の神話』として、もはや古典的作品となっているが、おなじく新宿・渋谷から東京西郊にむけて放射状に路線を広げていった小田急電鉄と京王線の沿線開発しについては見るべきものがなかった。

永江教授による小田急線と京王線の「沿線史」は、その意味では補完的となる意味合いももっているので興味深く読んだ。fあえていえば、小田急線のほうが京王線より面白いというのが正直な感想だ。これは小田急の創業経営者の個性や、電力事業や民間デベロッパーとしての性格によるものも大きい。

小田急線あるいは京王線の沿線住民や通勤通学で使用している人にとっては興味深い内容だと思う。電車の車両のデザインを書籍のカバーにしているのも面白い。



●『小田急沿線の近現代史(CPCリブレ no.5 エコーする「知」)』(永江雅和、クロスカルチャー出版、2016)

目 次

第1章 私鉄経営と沿線開発-「阪急モデル」と小田急
第2章 「副都心」新宿の形成と駅ビル建設
第3章 「ファッションの街」渋谷と代々木公園
第4章 世田谷の耕地整理と「学園都市」成城の建設
第5章 狛江市と「雨乞い事件」
第6章 生田村騒動と向ヶ丘遊園
第7章 駅前団地と多摩ニュータウン
第8章 町田の「三多摩壮士」と玉川学園
第9章 「軍都」相模原・座間と林間都市計画
第10章 海老名と厚木の駅前開発
第11章 大山・丹沢の観光と小田急
第12章 小田原・箱根の観光と交通 あとがき、関連年表、参考文献
あとがき
関連年表・参考文献






●『京王沿線の近現代史 (CPCリブレ― no.6 エコーする「知」)』(永江雅和、クロスカルチャー出版、2017)

目 次

第1章 京王沿線の歴史を知るためのキーワード
第2章 副都心新宿の形成と京王線
第3章 玉川上水沿いを走る京王線-渋谷区旧代々幡村地域の事例
第4章 近郊農村から高級住宅地へ-京王線と世田谷の風景
第5章 環状鉄道の夢の跡-帝都電鉄から井の頭線へ
第6章 「東洋のハリウッド」-京王線と調布市
第7章 南下する玉南電鉄-府中市と京王線
第8章 聖蹟とニュータウン-京王線と多摩市
第9章 稲田堤の桜と多摩丘陵の開発-相模原線と川崎市・稲城市
第10章 動物園がやってきた-日野市と京王線
第11章 御陵線から高尾線へ-京王線と八王子市
あとがき
関連年表・参考文献




著者プロフィール
 
1970年生まれ。専修大学教授。一橋大学経済学部卒、同大経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(経済学)。『食料供出制度の研究』日本経済評論社、2013年。『小田急沿線の近現代史』クロスカルチャー出版、2016年。((本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

「私鉄沿線」(野口五郎、1975年)(YouTube)
・・演歌調のヒット曲

小田急電鉄 公式サイト

京王グループ 公式サイト


<ブログ内関連記事>

書評 『鉄道王たちの近現代史』(小川裕夫、イースト新書、2014)-「社会インフラ」としての鉄道は日本近代化」の主導役を担ってきた
・・鉄道史を読むという、「読み鉄」という楽しみ方もあっていいのかなと思う」

書評 『「鉄学」概論-車窓から眺める日本近現代史-』(原 武史、新潮文庫、2011)-「高度成長期」の 1960年代前後に大きな断絶が生じた 
・・「読み鉄」のためのはずせない一冊

書評 『京成電鉄-昭和の記憶-』(三好好三、彩流社、2012)-かつて京成には行商専用列車があった!

『新京成電鉄-駅と電車の半世紀-』(白土貞夫=編著、彩流社、2012)で、「戦後史」を振り返る

"世界最小の大仏"を見に行ってきた・・そしてついでに新京成線全線踏破を実行

「企画展 成田へ-江戸の旅・近代の旅-(鉄道歴史展示室 東京・汐留 )にいってみた・・神社仏閣参詣客の輸送需要に目を付けた鉄道事業者たち

書評 『ワシントン・ハイツ-GHQが東京に刻んだ戦後-』(秋尾沙戸子、新潮文庫、2011 単行本初版 2009)-「占領下日本」(=オキュパイド・ジャパン)の東京に「戦後日本」の原点をさぐる
・・東京西郊へ伸びる私鉄路線の出発点としての新宿=代々木地域

書評 『「くにたち大学町」の誕生-後藤新平・佐野善作・堤康次郎との関わりから-』(長内敏之、けやき出版、2013)-一橋大学を中核にした「大学町」誕生の秘密をさぐる

書評 『「大学町」出現-近代都市計画の錬金術-』(木方十根、河出ブックス、2010)-1920年代以降に大都市郊外に形成された「大学町」とは? 
・・「くにたち大学町」は「大学町」の代表例

「東京は、民間デベロッパーのビジネスとして宅地分譲と一体型の開発が行われたのに対し、阪神では鉄道会社がミッションスクールを誘致して大学を育成しながら大学町のブランディングを重視した姿勢、大阪は大阪商大(現在の大阪市立大学)が大阪市の都市計画の一環として計画されたのだと著者は整理している。大学町は学園都市ともいうが、東京の東急沿線に形成された大学町は学園都市というべきかもしれない。田園都市との類比を想起するからだ。

(2017年8月10日 情報追加)




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2017年8月1日火曜日

JBPress連載第5回目のタイトルは、「歴史家」大統領補佐官はトランプを制御できるか-ベトナム戦争の「失敗の本質」を分析したマクマスター氏(2017年8月1日)


JBPressの連載コラムの最新コラムが本日公開です。連載開始から5回目となります。

タイトルは、「歴史家」大統領補佐官はトランプを制御できるか-ベトナム戦争の「失敗の本質」を分析したマクマスター氏 ⇒ ここをクリック http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50639

国家安全保障問題担当のハーバート・マクマスター大統領補佐官は、トランプ大統領お気に入りのフリン補佐官が更迭されたために、共和党サイドから2017年の2月に送り込まれてきた人物です。トランプ政権の「お目付け役」と期待されています。

現役の陸軍中将であるマクママスター氏は、じつは正真正銘の「歴史家」(ヒストリアン)です。ノースカロライナ大学でアメリカ史を専攻し、歴史学で博士号(Ph.D)を取得しているのです。世にあふれるアマチュアの「歴史通」ではありません。

マクマスター氏の著書は、『職務怠慢─ジョンソン大統領、マクナマラ、統合参謀本部とベトナム戦争を導いたウソの数々』(Dereliction of Duty: Lyndon Johnson, Robert McNamara, The Joint Chiefs of Staff, and the Lies that Led to Vietnam:日本語未訳)。博士論文を基にして執筆した一般向けの単行本です。

(左がマクナマラ長官、右がジョンソン大統領 筆者所有のもの)

「ベトナム戦争」がエスカレートした原因を政治と軍の関係を詳細に研究した本書は、米国版『失敗の本質』ともういうべき好著です。この本をひもとくことによって、マクマスター氏の問題意識と歴史にかんするする知見について紹介したのが、今回のコラムの内容です。

トランプ政権の閣僚となったマクマスター大統領補佐官にとっては、「歴史」はたんなる「教養」ではなく、現実の諸問題を解決するための「実学」なのです。「実学としての歴史学」なのです。

ぜひお読みいただきますよう。⇒ http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50639


次回は、「終戦の日の」8月15日に公開予定です。







<ブログ内関連記事>

JBPress連載第4回目のタイトルは、 「トランプ陣営「2人の将軍」の知られざる共通点-マティス国防長官の座右の書は古代ローマの古典」(2017年7月18日)

本日よりネットメディアの「JBPress」で「連載」開始です(2017年6月6日)

ついに英国が国民投票で EU からの「離脱」を選択-歴史が大きく動いた(2016年6月24日)

JBPress連載第2回目のタイトルは、「怒れる若者たち」の反乱-選挙敗北でメイ首相が苦境に、目を離せない英国の動向」(2017年6月20日)


■「実学としての歴史学」

書評 『ヨーロッパとは何か』(増田四郎、岩波新書、1967)-日本人にとって「ヨーロッパとは何か」を根本的に探求した古典的名著
・・一橋大学の「歴史学」は、明治時代の東京高商時代に「実学」から出発した

JBPress連載第4回目のタイトルは、 「トランプ陣営「2人の将軍」の知られざる共通点-マティス国防長官の座右の書は古代ローマの古典」(2017年7月18日)
・・実務家にとって歴史をたんなる「教養」に終わらせないために必要なこととは?




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